NECと新潟大学は6月24日、正常なヒトの「腎糸球体」プロテオーム(組織に含まれる全タンパク質)のデータベースをWeb公開した。腎糸球体疾患は慢性腎不全につながるが、治療法の開発が進んでいない。データベースの公開で発症・進行メカニズムの解明と創薬に貢献できるとしている。
腎糸球体は、腎臓で血液をろ過して尿にする部分で、毛細血管が糸玉状になっている。慢性腎不全になる腎疾患のほとんどは腎糸球体の疾患だが、発症・進行メカニズムはほとんど分かっていないという。このため有効な治療法の開発が進んでおらず、人工透析が必要になる患者は毎年約1万人ずつ増えている。
共同研究では、検体から精製した腎糸球体のプロテオーム解析を行い、約200種類のタンパク質データベースを世界で初めて構築した。データはXMLを使い、プロテオーム情報を効率的に記述する専用マークアップ言語を提案。解析結果だけでなく、サンプル調整や実験条件なども記述でき、研究者間での情報交換や比較が容易になるという。
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