NECエレクトロニクスは6月28日、システムLSIのハードやOS、ミドルウェアなど基本部分を共通化した「platformOViA」(オーヴィア)を発表した。
携帯電話やデジタル家電は多機能化が進み、ソフトウェア開発に膨大な人手とコストがかかっている。OViAではマルチメディア機能などを共通化してセット(最終製品)メーカーに提供し、セットメーカーはその上に載せる独自アプリケーション開発に専念できるようにする。開発効率は最大70%向上できるという。OViAに対応したLSIデジタル家電向けLSIを年末に、携帯電話向けLSIを来年に市場投入する計画だ。
OViAはまず携帯電話、デジタル家電、車載情報システムの3分野向けに展開。(1)NECエレが開発した分野ごとのシステムLSI、(2)Linuxとドライバ、各種インタフェース、(3)WebブラウザやJava、メディアプレーヤーなど提携各社が提供するミドルウェア──で構成する。
セットメーカーはOViAに準拠したシステムを構築することで、基本部分を開発する手間が省ける上、デジタル家電、携帯電話、車載端末でアプリケーションを流用することが容易になる。
端末のマルチメディア対応やネットワーク対応が進むにつれ、端末が内蔵するソフトウェアの開発量が膨大になってきている。NECの推計によると、DVDレコーダー用ソフトの開発規模は2002年の20万行から今年は180万行規模に、携帯電話は2001年の100万行から2004年には500万行規模に増えた。開発の長期化やコスト増大に加え、複雑化とチェック不足から不具合も頻発している。
OViAは基本部分を共通化した上で、インタフェースの仕様を公開することでメーカーの独自アプリケーション組み込みも容易にする。ミドルウェアなどのソフト部品はパートナー各社が供給する態勢を整えた。同社と戦略的提携を結んだモンタビスタソフトウェアジャパンのLinuxを、ACCESSのWebブラウザ、京都マイクロコンピュータや横河ディジタルコンピュータの開発環境など、20社以上が参加する予定。豊富なソフトをそのまま使用でき、開発効率を向上できるとしている。
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