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NTTデータ、仏の大手コンサルと提携 グローバル展開加速

» 2005年07月19日 19時01分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 NTTデータは7月19日、フランスのITコンサルティング企業Cap Geminiと提携すると発表した。欧米に強いCap Geminiと協力し、グローバル展開を加速する。Cap Geminiの日本法人はNTTデータが子会社化する。

photo Cap Geminiのヘンク・ブローダース執行役員(左)と日本キャップジェミニの印藤公洋会長(中)、NTTデータの山下徹副社長

 Cap Geminiは欧州を中心に30カ国で事業展開しており、2004年12月期の連結売上高は6億3000万ユーロ(約8500億円)とNTTデータとほぼ同規模。売り上げの77%を欧州で、22%を北米で稼ぎ出している。

 NTTデータは、Cap Geminiが欧米に持つ事業基盤を活用し、国内企業の欧米進出をサポートする。同社の山下徹副社長は「当社の顧客企業から、東欧への進出を支援してほしいという要望を多く受けている」と話し、今回の提携を生かして東欧に本格進出する構えだ。また、Cap Geminiグループのコンサルティングメソッドを一部取り入れ、同社サービス強化につなげる。

 山下副社長によると、NTTデータは昨年夏ごろからグローバル展開のパートナーを探していたという。Cap Geminiを選び出したちょうどそのころ、Cap Gemini側から日本キャップジェミニ株の売却を持ちかけられ、引き受けたとしている。

 NTTデータが子会社化するのはCap Geminiの国内法人・日本キャップジェミニ。8月12日付けで、発行済み株式の95%を40億円台前半で取得する。同社は社名変更し、NTTデータ傘下で事業を継続する。新社名は未定。

 Cap Geminiは、NTTデータという強力なパートナーを、アジア市場での事業拡大の足がかりにする。売上高全体に占めるアジア地域の割合はわずか1%にとどまっており、NTTデータとの協力関係をてこに、欧州企業の日本進出支援を加速し、アジア地域の売り上げを拡大したい考えだ。

 Cap Geminiのヘンク・ブローダース執行役員は「当社とNTTデータの売り上げ規模を足せば、米IBM、米EDSに次ぐ世界第3位のITコンサル企業ができる」と話し、「米国企業と互角に戦える唯一の米国外コンサル」として競争力を高めていきたいと語った。

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