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MS、「VistaでのハウツーRSS」を公開

» 2005年08月05日 11時58分 公開
[Lisa Vaas,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは8月3日、Internet Explorer(IE)7およびWindows Vistaに正しく対応するWebページとRSSフィードの作り方を開発者にアドバイスするための連載第一回をブログに掲載した。

 同社は次期版WindowsクライアントのVista(コードネーム「Longhorn」)で、共通の購読フィードのリストと、共通のフィードデータストアを提供する計画だ。この機能は、Windows APIを通じてアプリケーションに提供される。

 また同社は、ユーザーがIE 7で自動的にフィードを発見・購読できるようにする意向だ。この機能は既にMozilla FirefoxやApple ComputerのSafariなどの競合ブラウザで提供されている。

 RSSはWindows XP Service Pack 2(SP2)向けIE 7、サーバ版Longhorn(正式名称は未定)で利用できる。Microsoftは先週、IE 7のβ版をリリースした(7月28日の記事参照)。Longhornサーバ向けのβ版は夏の終わりまでに登場する予定で、同社は9月のProfessional Developer ConferenceでLonghorn RSS APIをリリースする。

 同社のアドバイスページは進行中で、Vistaの完成に近づくにつれ更新される。IE 7のβ版は先週リリースされたが、正式版は来年後半に登場する見込みだ。

 MicrosoftがVistaクライアントの正式リリースに近づけば、このブログの内容はMSDNの常設ページに移される可能性が高い。

 MicrosoftのRSSチームによるブログの最初のエントリによると、掲載内容には「ほとんど意外なものはない」という。同社はむしろ、新しいWindows機能の開発に対する意見を求めている。「この話題が物議を醸さないと良いのだが」とブログにはある。

 しかし、物議を醸さないMicrosoftはMicrosoftではないだろう。最近のLockergnome.comのGnomedex 5.0カンファレンスでは、一部からMicrosoftが単一のフォーマット――RSS 2.0――にフォーカスし、IETF(Internet Engineering Task Force)などのオープン標準団体に拡張機能を提出しないとの批判が出た。RSSと競合する規格Atomは、IETFで標準化プロセスを進めているところだ。

 それでも多くの人は、MicrosoftのRSS対応は、RSSが大衆に普及するために必要な後押しになると見ている。「RSSの課題の1つは、(比較的技術の知識がある人には)非常に使い勝手がいいものの、ほとんどの人にはRSSが何なのか、それを使って何ができるのか分からないという点だ」と調査会社Outsellの副社長兼主席アナリスト、マーク・ストロレイン氏は指摘する。

 「MicrosoftがIE 7で進めている重要な機能の1つがRSS対応だ。それから、人々はRSSを一般的でないやり方で使ったアプリケーションを構築し始めるだろう。よくある間違いだが、RSSはブログ現象に付いてきたものではない。実際はもっと広範な(配信)プロトコルなのだ」(同氏)

 RSSの将来にとって重要なのは、「われわれがRSSを使っていても、RSSのことを話題にしなくなるほど」透明な存在になることだと同氏は言う。「それが、MicrosoftがRSSに対して最終的にやることだ」

 標準に関して、同氏はGnomedexで、MicrosoftがRSSをプロプライエタリなものにするのでなく、正道にとどまろうとしているような印象を持ったという。「そう(プロプライエタリに)しようとすれば、失敗するだろう。RSSにはあまりにも勢いがある」

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