IT管理者がパッチをインストールするときに保存されていない文書を自動的に保存してくれるWindows Vistaの新技術は、PCをつけっぱなしにするユーザーにとって恩恵となるだろう。業界アナリストが9月1日、語った。
Microsoftが「Freeze Dry」のコードネームで呼ぶこの技術は、IT部門が夜中や週末に定期パッチインストールを行う際に、データとアプリケーションの状態を保存するよう設計されている。
マシンをつけっぱなしにしているユーザーは、定期パッチインストールによって再起動が必要になった場合にデータを失う恐れがある。Freeze Dryは、ユーザーが仕事に戻ったときに保存されたデータを回復できるようにする。
「Freeze Dry機能はWindows Vistaのリスタートマネージャを活用する」とMicrosoftのWindowsクライアント部門PRディレクター、ネイル・シャーニー氏は用意された声明文の中で述べている。
「Windows Vistaのリスタートマネージャは、パッチプロセス中にロックされるファイルの数を減らし、OSとアプリケーションのパッチインストール中に更新しなければならないファイルを解放することで再起動を減らす」(同氏)
Vistaに組み込まれる新しい信頼性機能の1つは、アプリケーションのインストール・アップデート時にWindows Vistaを再起動せずに済むようにする。
「一部のアップデートは、古いファイルが別のアプリケーションによって使われている最中でも、新版の更新されたファイルをインストールできる。Windows Vistaは次にアプリケーションが起動されたときに、自動的にそのファイルを置き換える」とシャーニー氏は説明する。
さらに、Windows Vistaは「更新しなくてはならないファイルをどのアプリケーションが使っているかを判断し、そのデータを保存してアプリケーションを閉じ、ファイルをアップデートしてからそのアプリケーションを再起動する」できるほど賢明だと同氏。
「これは非常にいいアイデアに思える」と作家でWindowsやMicrosoft製アプリケーションを扱うwww.edbott.comの編集者でもあるWindows評論家エド・ボット氏。
「そのインフラは既に、Windows XPの全バージョンに含まれているハイバネーション機能にあるようだ」と同氏。
しかしボット氏は、これはパッチプロセスを管理できるIT部門を持つ組織のためだけのものではないと主張する。
「Microsoftがこの機能を管理された企業環境において位置づけていることに驚いた。この機能はホームユーザーや小規模企業にとっても等しく便利なように見えるからだ」(同氏)
Freeze Dry技術は、PCユーザーにとって魅力的なやり方でリスタートマネージャを応用しているようだと調査会社Directions on Microsoftのアナリスト、マイク・チェリー氏は指摘する。
「ユーザーはシステムを再起動しなくてはならない回数を懸念している。システムをずっと走らせておきたいという人はかなりいるからだ」(同氏)
Freeze Dryのような技術はサーバにとってはもっと重要だろうとチェリー氏。だが同氏は、これはMicrosoftが今年開始した自動アップデートサービスを利用するPCにとっても同じように重要だと考えている。
MicrosoftはWindows XPの後継版となるWindows Vistaを2006年末までに投入する計画だ。
再起動を少なくとも50%減らすことは、同社が発表したWindows Vistaの重要な設計目標の1つだ。
このほかの設計目標には、Windows XPよりもアプリケーションの起動を15%高速化すること、PCの起動を今より50%高速化すること、企業の新版Windowsへのアップグレードをできるだけ簡単にすることなどがある。
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