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MS PDCの焦点はVistaとコミュニティー

» 2005年09月13日 10時21分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Flashキラーの可能性を秘めたもの、開発コミュニティーにとってより良い共同作業の手段となるもの――Microsoftが今週開催するProfessional Developers Conference(PDC)では、こうした話題にスポットライトが当てられるち、同社の動向を追うアナリストらは話している。

 米国時間の9月13日にロサンゼルスで開幕するPDCは、Microsoftが年に2回開発者コミュニティー向けに開く会議で、たいていは開発者に同社の主要な新製品のコードサンプルを提供する。11月7日にSQL Server 2005とVisual Studio 2005がリリースされることから、開発者らはこれら製品の正式版に近いコードをPDCで見られると期待していいとアナリストらは語る。

 アナリストによると、新しいグラフィックス・アニメーションツールセット「Sparkle」もPDCで披露されると各方面で予想されている(9月12日の記事参照)。Microsoftは依然詳細を伏せているが、巷の噂ではMicrosoftはこのソフト――Adobe SystemsのFlashなどのマルチメディア開発ツールに似たものになると見られる――をPDCでデモするという。

 調査会社Hurwitz & Associatesの共同経営者リッキ・カーツナー氏は、Sparkleのプレビューを見たと話す。具体的な機能は明かせないものの、このツールはAdobeのグラフィックス・アニメーション制作ツールの「良い要素を取り出し」、Microsoftの開発者に同様の機能を与えるもので、「非常に感銘を受けた」と言う。

 デスクトップ向けWindowsの次期版「Windows Vista」は、最初のβ版が登場したことで、PDCの大きな焦点になるだろうとEnderle Groupの主席アナリスト、ロブ・エンダール氏。「開発者は栄光の絶頂にあるVistaを目にするだろう」

 Vistaの機能一式は完成していないため、MicrosoftはPDCで、未公開の機能の一部を披露するだろうとエンダール氏は言う。最初のβ版には含まれていないWindows Vistaの次世代GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)の要素がPDCで披露され、また開発者がテストを開始できるように配布される可能性が高いと同氏。

 Microsoftはまた、開発コミュニティーに対して新たな友好を示すだろうとカーツナー氏。同社が顧客と開発コミュニティー全体にメリットをもたらすように開発者の問題を解決する方法を「真剣に考えている」ことを示すニュースがあるという。

 「(PDCで)Microsoftの話を聞けば、Java企業と話しているように思うだろう。Java開発者は常に『開発者にとって状況をより良くするにはどうすればいいか、彼らがもっとシームレスに協力できるようにどうしたらいいか』を考えてきた。これまでのMicrosoftのスタンスは常に『どうぞ、これを使って、バグを見つけたら知らせてください』というものだった。今回の動きはMicrosoftにとって、これまでとは違うやり方だ」(カーツナー氏)

 同氏は、Microsoftの新戦略はLinuxやEclipseなどのオープンソースの取り組みに対抗するためのものである可能性が高いと話す。Eclipseは、IBMが数年前に導入したオープンソース開発プラットフォームで、Javaツールベンダーの間で広く人気を集めている。

 「LinuxやEclipseへの大量の移行を目にしたら、Microsoftはそれにどう対抗するだろうか? 同社は同じように開発者に使いやすい環境を作り出すことで対抗している」(同氏)

 Microsoftは先週、開発者が新しいアプリケーションを構築し、MSN部門の検索、インスタントメッセージング、マッピング製品を利用できるよう、PDCで幾つかのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を公開することを認めた(9月9日の記事参照)。同社は特に検索およびマッピングツールの分野でGoogleとYahoo!への追い上げを図っている。そこで、開発コミュニティーを活用してMSN SearchやMSN Virtual Earthなどの製品の採用を促進しようと考えているのだ。

 Microsoftはまた今週、レイ・オジー氏のGroove Networks買収が、同社の製品ロードマップにどう適合するかをもっと明らかにするはずだとエンダール氏。

 同社は3月に、Lotus Notes作者のオジー氏が設立したGrooveを買収したが、Grooveのコラボレーションプラットフォームを自社のポートフォリオにどう組み込むかを完全には明かしていなかった。

 Microsoft幹部は、Grooveの技術とCTO(最高技術責任者)としてのオジー氏の役割を活かして、OfficeやSharePoint Portal Serverなどの製品のコラボレーション機能を強化すると話していた。

 「Microsoftは常にコラボレーションの側に光を当ててきた。そろそろ、GrooveがMicrosoftでどうなるのかを示すときが来た」(エンダール氏)

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