富士通と富士通フロンテックは、顧客が自分で精算できるレジを開発したと発表した。「セルフチェックアウトシステム」として富士通から10月3日に発売する。レジ店員を削減できるほか、レジの待ち時間も減らせるとしており、スーパーマーケットやホームセンターなどへの導入を見込む。「レジは限りなく無人化していく」と同社担当者は話し、今後はRFIDなど先端技術を使った無人精算システムの開発も進めていきたいとした。
同社によると、セルフチェックレジは、2000年ごろから欧米で導入が始まっている。米国では2004年度時点で4.7万台普及しており、全レジの2%程度がセルフ型になっているという。同社は北米シェア2位、36%を占める。
国内でも今後3年でPOSレジの2%、5000台が無人に置き換わると同社は予測。欧米で販売中のシステムを日本向けにカスタマイズして投入する。同社が長年培ってきたPOSと銀行ATMシステムのノウハウを融合。現金払いが多い日本人向けに、現金の挿入口やつり銭の補充機能などを改良し、本体サイズも小型化した。
レジ右手に買い物かごを置き、商品を取り出してバーコードをスキャンすると、タッチパネルディスプレイに商品名や価格が表示される。スキャン後は左手のサッカー台に用意した袋に詰めていく。
サッカー台には重量計が組み込んであり、スキャンしていない商品を乗せるとディスプレイに「スキャンしてください」と警告が出る。生野菜などバーコードがない商品は、ディスプレイで商品名を指定できる。精算は現金やクレジットカード行え、ポイントカードも利用できる。
レジ4台と、店員用の監視端末1台が基本セットで、価格は1500万円前後。店員1人でレジ4台をカバーでき、レジ業務に関わる運用コストを年間400万〜600万円程度削減できるとしている。
レジの待ち時間も短縮できるという。昨年12月に先行導入した和歌山県のスーパーでは、買い物点数の少ない顧客がセルフチェックアウトを選ぶ傾向があり、従来のレジよりも待ち時間が少なくて済んだという。
万引きの心配もほとんどないとしている。「万引きは、人がいないところで行われる。レジというオープンな場で万引きする人はまずいない」(同社)。店員が常に監視していることもあり、先行導入している店舗でも、セルフチェックシステムを悪用した万引き被害はなかったという。
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