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Alpha設計者のドッベルプール氏、新会社発表へ

» 2005年09月30日 16時21分 公開
[IDG Japan]
IDG

 高い評価を受けている半導体設計者のグループが、来月、ブレードサーバと携帯デバイス向けの省電力プロセッサの設計にフォーカスした新会社を発表する。

 業界のベテラン、ダン・ドッベルプール氏率いるP.A.Semiは、10月後半のFall Processor Forumでステルスモードから脱して姿を現す。あまり情報の載っていない同社のWebサイトによると、ブレードサーバ、ネットワーキングデバイス、携帯コンシューマー機器向けの省電力・高性能プロセッサの設計に特化したファブレス半導体企業のようだ。

 ドッベルプール氏の姿が最後に見られたのはBroadcomだった。Broadcomは、同氏の組み込みプロセッサ企業SiByteを2000年に買収した。SiByteはMIPS Technologiesのアーキテクチャを使って、高性能ネットワーキングプロセッサを設計していた。

 P.A.Semiは、目覚ましい性能を提供する省電力マルチコアMIPS設計で、SiByteが断念したものを引き継ぐと同社の計画に詳しい筋は話している。同社の広報担当者は、製品に関するコメントは拒否したが、ドッベルプール氏が同社を率いていることは認めた。

 ドッベルプール氏は、Alphaプロセッサの立役者の1人。Alphaはコンピューティング世界では廃れているが、今も多くのアナリストやエンジニアから、当時あるいはいつの時代でも最も革新的なプロセッサ設計の1つと見なされている。Alphaは1992年にDECからリリースされたとき、世界最速のプロセッサだった。

 半導体業界はクロックスピードで性能を測るやり方から、ドッベルプール氏が何年も前に認めた別のトレンドへと歴史的なシフトを遂げつつある。同氏は、DECがARMのアーキテクチャを使ってStrongARMプロセッサを設計する手助けをした。StrongARMの省電力設計はすぐに組み込みデバイス向けに採用され、最終的にはIntelに買収された。この設計は今、「XScale」と呼ばれている。

 ドッベルプール氏は2003年に半導体設計への功績により、IEEE(米電気電子技術者協会)からSolid-State Circuits Technical Field Awardを授与された。

 P.A.Semiには半導体業界の素晴らしい設計者が集まっていると情報筋は伝えている。例えば、同社のジム・ケラー氏はAMDの現行プロセッサ責任者ダーク・マイヤー氏がOpteronとAthlon 64を設計するのを支援した。ピート・バノン氏はDECでドッベルプール氏とともにAlphaに携わっていた。最近はIntelフェローとしてTukwila(将来のマルチコアItanium 2)に取り組んでいた。

 「ドッベルプール氏と同氏が集めた人々は、確かに高い名声を得ている」とP.A.Semiのメンバーを知ったInsight 64の主席アナリスト、ネイサン・ブルックウッド氏は語る。

 P.A.Semiの詳細な計画は、10月24〜27日にカリフォルニア州サンノゼで開かれるFall Processor Forumで発表される。

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