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Yahoo!検索、ロボット型に変更 SNSと融合へ

» 2005年10月03日 16時48分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「Yahoo!Japan」の検索サービスが10月3日、従来のカテゴリ検索主体から、Yahoo Search Technology(YST)を活用したロボット検索主体に切り替わった。同社は今後、検索技術とソーシャルネットワーキング技術を組み合わせ、ユーザーごとに最適な検索結果を得られるサービスを構築していく方針だ。

 Yahoo!Japanの検索は従来、入力キーワードに関連するYahoo!カテゴリやサービス、登録サイトをすべて表示した後、キーワード広告とロボット検索結果を表示していた。

 新サービスでは、Yahoo!カテゴリやサービス、登録サイトの表示をコンパクト化し、ロボット検索の結果にすぐに行き着けるようにした。入力キーワードに関連するキーワードを表示する機能も装備。ぺージ上部に表示していたバナー広告は撤去し、キーワード広告に一本化した。タブを切り替えれば、従来のカテゴリ検索の結果も表示できる。

photo 新検索サービスを使った「パソコン」の検索結果

 対応言語は37種類。英語と中国語、韓国語の検索結果はワンクリックで和訳できる。Yahoo! Japan IDユーザーなら、検索言語などの設定を保存しておける。

 新たに、検索専用ページも構築した。

 同社リスティング事業部検索企画室の井上俊一室長によると、Yahoo!検索のキーワードは多様性を増しており、1日に1回しか入力されないユニークキーワードは63%にのぼるという。細かい検索ニーズに応え、増え続けるWebサイトから最適な結果を表示するには、カテゴリ別表示よりもロボット検索の方が適切と判断した。YSTは世界のYahooで利用されているため、世界の新技術をタイムラグなく投入できる点もメリットとしている。

 主な収益はキーワード広告で得る。同社のキーワード広告事業は好調で、売上げは右肩上がりに伸びているという。同事業を含む同社リスティング事業部の2005年4〜6月期の売り上げは101億円で、同社全体の売上げの26%。同事業部の営業利益は76億円と、全体の営業利益の41.9%を稼ぎ出している。

photo ヤフーの四半期利益の推移

 同社は今後、検索結果のパーソナライズ化に取り組む計画だ。米Yahoo!がβ版を公開したソーシャルネットワーキングの仕組みを取り入れた検索システム「My Web 2.0」を将来、国内でも展開するという(関連記事参照)

 My Web 2.0は、ソーシャルブックマークとソーシャルネットワーキングサイトの仕組みなどを取り入れたサービス。ユーザーは検索履歴やブックマークを保存できるほか、ブックマークに自由にタグ付け可能。SNS「Yahoo!360」やYahoo!メッセンジャーなどに登録した友人のブックマークも参照できる。友人の目を通してフィルタリングしたサイトだけを検索対象にできるため、目的のページにたどり着くまでの時間を短縮できるとしている。

 日本のヤフーのMy Web 2.0参入時期は未定。「米国の様子を見て決めたい」(井上室長)。同社はSNSの仕組み検索以外のサービスにも適用し、個人の特性に合ったサービスを展開していきたいとしている。

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