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出版社からの訴訟は「日常茶飯事」とGoogle CEO

» 2005年10月26日 17時19分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Googleのエリック・シュミットCEOは10月25日、東京での講演で、多数の書籍を電子化するという同社の野心的な計画をめぐって出版社が先週起こした著作権侵害訴訟を、仕事をしていく上で日常茶飯事だと表した。

 シュミット氏は世界経営者会議で、こうした訴訟はGoogleのような企業にとって日常的な危機だと語った。

 「Googleは世界の全情報を体系化するという使命を持っている。すべての人がそれに賛成しているわけではないし、米国の法体制では、意見が合わなければ訴えられる。だからわれわれは毎日のように訴訟を起こされている。日本ではこういったことはあまり一般的ではないが、米国では日常茶飯事だ」(同氏)

 先週の訴訟は米出版者協会(AAP)が起こしたもので、Googleの書籍スキャンは著作権侵害であるとの判決を求めている。既に公開テストに入っているGoogle Printプログラムは、数千の書籍の検索可能なデータベースを構築している。Google Printサイトにアクセスすると、スキャン済みの書籍を検索して、検索キーワードと関連するページを見ることができる。

 「先週起こされた多くの訴訟の中には、われわれがデジタル目録を作っていることに対する一連の訴訟があった」とシュミット氏。「われわれは世界中のすべての書籍のインデックスを構築しており、そのためにはそれらをスキャンしなくてはならない。一部の出版社は、それはダメだと判断した。わたしにとっては意味のないことだ。残念ながらほとんどの書籍は読まれておらず、それらをコピーしてインデックス化すれば、人々が購入できるようになるからだ」

 Googleは9月に、作家団体のAuthors Guildにも訴訟を起こされた(9月21日の記事参照)。同団体は、Google Printにより大規模な著作権侵害が起きていると申し立てている。

 シュミット氏は聴衆に向けて、Google Printではユーザーがオンラインで書籍の全文を読めないようになっており、オンライン書店へのリンクや、地元の書店に書籍を注文するための詳細情報も提供しているという点を強調した。

 「われわれはエンドユーザーが書籍を複製するのは認めていないし、1ページ読むことも認めていないこともある。これは非常に重要だ。Googleを利用して書籍をコピーすることはできない。Googleでは書籍を見つけて購入することができる」(同氏)

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