英ARMプロセッサ部門の技術担当ディレクター、イアン・ドゥヴロー氏が10月26日、新プロセッサ「Cortex-A8」について都内で説明した。ARM11と同等の低消費電力ながら性能は2倍以上に向上しており、携帯機器でもデスクトップPC並みの性能を実現できるとした。
同プロセッサは10月上旬に発表。スーパースカラー方式を採用し、動作クロック1MHz当たり2.0DMIPSの性能を持ち、最大1GHz動作が可能だ。ベースはARMv7を採用した。
性能・効率向上やコード密度を改善した新命令セット「Thumb-2」に対応するほか、動画などのマルチメディアデータを高速処理する信号処理拡張機能「NEON」を実装。デジタル著作権管理(DRM)に対応できるセキュリティ技術「TrustZone」も備えた。
モバイル機器向け製品は、65ナノメートルプロセスで製造する低消費電力版製品として600MHz(1200DMIPS)で動作する。消費電力は300ミリワット以下で、コアのシリコンサイズは4平方ミリ以下で済むという。家電や車載機器など向けには、最高1GHz(2000DMIPS)以上で動作する製品も可能だ。
Thumb-2はARM1156から対応したもので、「限られたメモリを有効に利用するために必要な技術。16ビットながらARM32ビットと同等の性能があり、さらにコードサイズを3割削減できる」(ドゥヴロー氏)という。
同プロセッサの詳細は10月27〜28日に開く「ARM Forum 2005」で解説する。
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