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エンタープライズ分野でシェアを拡大するAMD(1/2 ページ)

» 2005年12月14日 16時41分 公開
[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 Advanced Micro Devices(AMD)は同社の「AMD64」技術を利用して、ブレードサーバやクライアントデバイスといったフォームファクターの普及を促進しようともくろんでいる。

 オースティンにあるAMD支社の関係者は、こうした取り組みが2006年における事業計画の中心になると話した。同社は、みずからの技術と、新たな「Opteron」および「Athlon64」チップなどを含む同社製品のロードマップに対して自信をのぞかせている。OpteronおよびAthlon64は2006年にリリースされる予定で、仮想化機能や高い安全性、DDR2メモリサポートといった特徴を備えるチップだということだ。

 AMDは2006年の最優先課題を、エンタープライズおよびSMB分野におけるAMD製品採用の加速化としているが、そのためには同社のプロセッサの普及を図ることが重要になる。

 AMDの企業ビジネスおよびパフォーマンスコンピューティング担当ゼネラルマネジャーであるマーティ・セイヤー氏によれば、同社は「Raiden」のコードネームを持つプログラムを立ち上げて、サーバ分野ばかりでなく企業クライアント分野にも注力するようになっているという。

 eWEEKのインタビューを受けたセイヤー氏はさらに、ハードウェアベースの仮想化と向上したセキュリティ機能(AMDでは、それぞれ「Pacifica」「Presidio」というコードネームを持つプログラムにおいて、これらの課題に取り組んでいる)が一体化したことで、シンクライアントやPCブレードなどのサーバベースコンピューティング分野が再び脚光を浴びていると話した。

 これに加え、チップ間の高速相互接続を実現する「HyperTransport」技術が、ノートブックPCをはじめとする携帯デバイスを設計する際の柔軟性を向上させている。ノートブックPCは、AMDが進める「クライアントコンピューティング改革」プログラムの主要な対象だ。

 Raidenプログラムでは、システムメーカーおよびエンドユーザーが、64ビットコンピューティング、デュアルコア、消費電力抑制などのAMDの技術を活用してクライアントコンピューティング環境を改善する、さまざまな対応策が検討されている。AMDは4つから5つの分野に注力しており、その成果は2006年には現れると予想される。

 「だれもが、自分が直面している問題の一部は(プロセッサの)仮想化およびセキュリティ機能によって解決できると考えている」(セイヤー氏)

 セイヤー氏は、AMDチップを搭載するデスクトップPCの30〜40%が企業向けに販売されており、同社にとって企業クライアントは重要な分野だと述べている。

 IT業界がサーバベースコンピューティングの可能性に注目するようになって久しい。中核的なコンポーネントやデータを中央サーバに格納しておけば、セキュリティと管理性が飛躍的に向上するのだ。

 初期にはシンクライアントへの関心が高まったが、見劣りするパフォーマンスと高い導入コストがあだとなり、普及は進まなかった。近年ではブレードPCが登場し、ClearCube Technologyや、ごく最近ではHewlett-Packardなどがそうした製品を提供している。

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