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Googleのブログサービス、中国で再び遮断

» 2005年12月15日 11時34分 公開
[IDG Japan]
IDG

 中国当局の検閲官により、Googleの無料ブログサービス「Blogger」へのアクセスがまた遮断されているようだ。中国ユーザーが同サービスにアクセスできるようになってから2カ月も経たないうちのことだ。

 中国政府は、望ましくないと判断したインターネットサイトへのアクセスを遮断する政策を実施しているが、当局は公にはこの取り組みの詳細を認めていない。

 こうした統制の効果は議論の種にもなっている。中国のインターネットユーザーは一部のWebサイトにすぐにはアクセスできないが、たいていは十分な情報を持っており、こうした統制は情報の遮断には有効ではないように見える。

 GoogleのBloggerサービスは3年以上の間、当局の検閲官によって遮断されていたようだが、その後10月に中国ユーザーからアクセスできるようになった。だが、それは長くは続かなかった。Bloggerサービスはこの1週間、プロキシサーバを使わないと中国からアクセスできない状態にある。検閲官が再度、同サービスへのアクセスを遮断したようだ。

 プロキシサーバは、ユーザーとインターネットの間の仲介者の役割を果たすWebサーバ。中国の国外のプロキシサーバ経由でインターネットに接続すれば、中国ユーザーは政府のアクセス規制を回避して、遮断されたWebサイトにも普通にアクセスできる。

 「中国本土のユーザーがBlogger.comにアクセスするのは難しいかもしれないという報告を受けた」とGoogleの広報担当者は電子メールで述べている。

 中国で遮断されているブログサービスはBloggerだけではない。Six ApartのTypePadも、現在はプロキシサーバを使わないと中国からアクセスできない。Six Apartは中国の顧客に、規制を回避してブログにアクセスするのに使える推奨プロキシサーバのリストを提供済みだ。

 中国社会科学院(CASS)の研究者グオ・リャン氏が実施した最近の調査によると、ほとんどの中国のインターネットユーザーは、インターネットへのアクセスを政府が管理、統制する必要があると考えているという。

 この調査では、中国インターネットユーザーの82.4%が、インターネットコンテンツの統制は「必要」あるいは「大いに必要」だと答えた。これに対し、統制は不要だと回答したのは3.5%だった。

 その一方でこの調査では、ほとんどのユーザーが、政治的コンテンツへのアクセスを統制すべきではないと考えていることが示された。政治的コンテンツへのアクセスを統制すべきと考えているユーザーは12%だった。

 政治的コンテンツへのアクセスは中国インターネットユーザーにとって心配ではないようだが、ほとんどのユーザーは、ポルノ(85%)、暴力(69%)などのコンテンツへのアクセスを統制すべきと感じている。

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