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孫社長「『テレビ局の支配』がはやっているが……」

» 2005年12月19日 18時17分 公開
[ITmedia]

 ネット動画配信の本格展開を12月19日発表したソフトバンクの孫正義社長は、会見で「特定のテレビ局を支配するといったことがはやっているが、1社とのみ深く関わるのはいいことではないと思っている」と述べ、テレビ局の経営権取得などを行う考えがないことを改めて強調した。

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 ソフトバンクとヤフーは、共同出資会社のTVバンクと「Yahoo!動画」を通じて動画配信を強化(関連記事参照)。既にコンテンツ配信をしているテレビ朝日に加え、NHKが新たにドキュメンタリー番組の提供を開始。さらに日本テレビ放送網、東京放送(TBS)、テレビ東京も参加を協議している。

 孫社長はYahoo!動画を配信ポータルサイトとして位置付け、「自らコンテンツを作るより、パートナーの手伝いをすることでプラットフォームの役割を果たしたい」と話し、コンテンツ企業各社が配信プラットフォームとして活用できる場として育てたい考えだ。

 特にテレビ局向けには「テレビにもネットを武器として活用してもらい、お互いが競合するのではなく、提携し合い協力し合う形」を理想像として描き、「キー局に対する地方局のように、われわれを『インターネット地方局』だと考えてもらえれば、番組配信の範囲が拡大するだろう」と配慮を見せた。

 一方で「ネットと放送の融合に懐疑的な人が多かったが、最近は進めたほうがお互いにベターだというように考えが変わってきた。世界一のブロードバンドインフラを活用できる法整備が望まれる」と述べ、放送と通信の枠を取り払う規制緩和にも期待した。

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