独立行政法人の新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)は1月12日、無線LAN関連技術の公開実証実験を、横浜市で実施した。ユーザーの居場所や属性に応じてPDAに最適な情報を提供するシステムや、無線LAN網と3G携帯網をまたいだハンドオーバー技術などを展示。事前募集した一般ユーザーなどに体験してもらい、無線LANビジネスの可能性を探る。
NEDOと電子情報技術産業協会(JEITA)、NEC、富士通、日立製作所が、無線LANの普及を目指して2003年度から行っている「無線LANスポット開発プロジェクト」の一環。ビジネスモデルの検討や実証実験、ミドルウェアAPIの公開などを行ってきており、今年度で終了する。成果は今後の無線LANビジネスにつなげていく。
日立は、無線LANスポット間や無線LAN−携帯電話網間でシームレスにハンドオーバーできる技術を開発した。NECは、面倒な設定不要でセキュアにユーザー認証する技術を、富士通は、スポットに入り次第最適なサービスを選択・実行する技術などを開発した。今回の実験では、これらの技術を活用し、無線LANスポットの周辺情報をPDAに送信して店舗に誘導するサービスなどを構築した。
「無線LANビジネスの解はまだ見えない」――NEDOの無線LANスポットWG主査で、東京大学大学院情報理工学系研究科の江崎浩教授は話す。江崎教授によると、無線LAN本格普及の壁の1つがインフラ整備。通信キャリアだけでなく、サービス事業者や店舗経営者、ビル管理会社などが無線LANインフラに積極投資できる環境作りが重要とし、今回の開発成果を、各社が無線LAN導入に踏み切るきっかけになればと話した。
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