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「ブログが営業マン」――ギャル革命、メジャーデビュー(2/2 ページ)

» 2006年01月13日 14時38分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 その不安は松浦社長に会って解消したという。ギャル革命に共感してくれ、ギャル革命ありきの音楽活動を応援してくれたためだ。「ここなら一緒にできると思いました」

 メジャー契約の裏には、もう1つ、切実な理由があった。手作業のCD販売の限界だ。3枚目のCD「Apple」を発売した時。売り上げは全額チャリティーという企画CDで、気軽に買ってもらえるよう価格を100円に抑えた。しかしこれまでのようなネット通販だと、送料が600円もかかってしまう。「店頭販売していないんですか?」――ファンからそう言われるたび、胸が痛んだ。

 エイベックスに所属すれば、CDを同社の流通網に乗せられ、たくさんの人にギャル革命を伝えられる。メジャーデビューでギャル革命を加速させたいと、志穂さんは意気込む。

ギャル革命は、1人じゃない

 1年間、迷いながらも走るうちに、自分の会社でやるべきことが見えてきた。事業分野は、音楽、ギャル革命と、ギャル向け商品開発やプロモーションのアドバイスをする「ギャルマーケティング」。「ギャルマーケティングといえばシホ有限会社G-Revo」と言われるようになることが、今年の目標だ。

 スタッフは5人。うち4人が正社員だ。IT系企業を辞めてギャル革命に賭けた元ギャルの「ひぃちゃん」(23歳女性)は、スケジュール管理や経理担当。元芸能プロモーターの「こっち」(26歳男性)は、広報や渉外に駆け回る。元美容師の「たけちゃん」(25歳男性)は音楽関連を担当。現役ギャルサークルの会長「よしみ」(19歳女性)には、ギャルマーケティング関連を任せる。Web担当は、ギャル革命を応援するある会社から出向している「ゆうかさん」(29歳男性)だ。

photo 渋谷のビルに構えたワンルームのオフィス

 志穂さんが組織したギャルの集団「くろ団」は150人以上に増えた。ケータイサイト「livedoor ギャル」の企画に活躍するほか、独自のイベントも手がける。みんなで書いているブログも人気だ。

 志穂さんは、この1年をブログでこう振り返る。――「始めたころは1人だった。でも今は1人じゃない」(以下、表記など一部修正)

 「気付けば、多くの人に支えられ、励まされていました。ブログを読んで下さってる方からの応援コメントやアドバイス、一緒にギャル革命を掲げ活動してくれる仲間のくろ団。人生をギャル革命に賭けてくれた社員の仲間。ホントにホントにありがとう」

 「『がむしゃらに走ります』――そんな事を口癖みたいに言ってた私がいたけど、そんな私の周りには走る準備を手伝ってくれた人がいた。走り方を教えてくれた人がいた」

 「絶対に1人じゃ会社設立できません。周りに支えられながら……それが私の考えです。これから色んな葛藤とか出て来るかもだけど、自分に正直に自分の選んだ道を信じて行きます!」

 ギャル革命は今「スタートの合図がパーン!って鳴ったくらい」の段階。これからダッシュする時期だ。

 自分の会社で自分の歌を出すという夢は叶った。革命スタート時、5年後の目標に据えていた、夢を応援する学校の設立は4年後に迫る。具体像はまだ見えないが、「先生になる」と言ってくれる人は確実に増えているという。

 シホ有限会社G-Revoの今の売り上げは、「社員みんなにお給料を払い、事務所の家賃も払えて、次の事業のために貯金できるくらい」。今年の売り上げ目標は、1億円だ。

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