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ライブドア「粉飾決算」報道で市場も混乱

» 2006年01月18日 17時18分 公開
[ITmedia]

 強制捜査をきっかけにしたライブドア関連株式の売りが止まらない。1月18日、同社が粉飾決算をしていたとの一部報道を受けて同社株式の取引は一時停止。再開後も売り注文が膨らみ、2日連続で値幅制限の下限(ストップ安)売り気配で推移した。

 この日も“ライブドアショック”を受けて全市場で売りが先行。平均株価は大きく下落した。個人投資家からの売り注文が殺到した東京証券取引所ではシステム負荷が高まり、株式の全銘柄の売買を自主的に停止する史上初の事態に。ライブドアを引き金に市場への信頼が揺らいでおり、社会経済への影響も深まっている。

子会社の利益を付け替え、経常黒字に?

 東京証券取引所は18日朝、ライブドアが粉飾決算をしたとの報道を受け、同社株式の取引を一時停止した(関連記事参照)

 報道によると、ライブドアの2004年9月期単独決算は約14億円の経常黒字だったが、これは実際には赤字で、子会社の利益を付け替えた粉飾決算の疑いがあるという。東京地検特捜部はこの事実を把握し、堀江貴文社長ら幹部から事情を聞き、全容解明に進める方針だ、という。

 ライブドアはこれに対し「事実の調査、把握に全力を尽くし、解明次第おって報告する」とコメント。これを受け、東証は後場から同社株式の取引を再開した(関連記事参照)

 この日、ライブドア(マザーズ)はストップ安となる前日比100円安の496円まで売り気配を下げたが、大引け直前は2億6400万株超の売り注文に対し、買い注文は40万株程度で取引は成立しなかった。ライブドアマーケティング、メディアエクスチェンジ、ライブドアオート、セシールなど関連銘柄もストップ安売り気配で大引け。東証では売買システムが停止したため、比例配分も行われなかった。

 東証はライブドアに対し、事実関係の説明を求めているもよう。粉飾決算が確認されれば、上場廃止を含めて何らかの措置をとる見通しだ。

東証が売買システムを自主停止

 この日の東京株式市場では前日に続き、ライブドアへの強制捜査をきっかけにした売り注文が殺到した。東証によると、午後2時25分の時点で注文は700万件、約定は400万件に達した。売買システムの処理能力に支障をきたす恐れがあるとして、東証は午後2時40分、売買システムを止め、株式の全銘柄の取引を停止した。

photo ネット証券の取引ソフトも「システム停止」を示した

 東証が自主的に全銘柄の取引を停止したのは史上初。東証は昼の時点でシステム停止の可能性を告知した上で、投資家や証券会社に小口注文を集約するよう呼び掛けていたが、売却不能になるのを恐れた個人投資家からの売り注文が膨らんだ格好で、結局システム停止を余儀なくされた。

 ライブドアをきっかけにした売りの嵐は市場全体におよび、平均株価は464.77円安(-2.94%)の1万5341.18円に下落。ソフトバンクがストップ安となる500円安の3340円まで売り込まれ、平均株価の下落幅を拡大させた。

 IT系企業が多い新興市場も一様に値を下げ、インデックス(JASDAQ)が前日比4万円安(-15.26%)の22万2000円となるなど、一様に下げ幅はきつい。一方で、ネット銀行への参入方針を固めた、との報道があった楽天(同)は5500円高(+5.58%)の10万4000円に上昇し、値上がり率で全市場の9位に顔を出した。

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