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書道までIT化――ベンチャーフェアの“手書きなのにデジタル”

» 2006年01月18日 18時58分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 PCが一般化するにつれ、文字を手書きする機会は減っていく一方だが、手書き文字を敢えてPCで活用しようと取り組んでいる企業が「ベンチャーフェアJAPAN2006」(主催:中小企業基盤整備機構、1月19日まで、東京国際フォーラム)に出展している。

 テクノアドバンス(神戸市)の「マイフォント」は、手書き文字をフォント化してくれるサービスだ。指定された漢字72文字とひらがな、カタカナ、英数字などを手書きして同社に送れば、筆跡の癖を解析し、4000文字のフォントを作ってCD-Rで納品してくれる。このフォントを使えば、文章や手紙を自分の筆跡で印刷できる。同フォントを使ったブログサービスも始めた。

photo 「片岡美榮子(同社社長の妻)フォント」で表示
photo 手書き風ブログサービス「マイフォントブログ」

 サービスの主なユーザーは、企業の顧客対応部署。お礼やお詫びのはがきを出す際に手書きフォントを使えば、明朝やゴシックといった定型フォントよりもあたたかみが出るという。

 昨年のクリスマスには、サンタさんの手書きフォントのクリスマスカードを発売した。フィンランドの“公式サンタクロース”に、手本をなぞるようにしてひらがなを書いてもらってフォント化。親などが入力した文章を“本物のサンタの筆跡”で印刷し、クリスマスに子ども達に届けたという。

photo サンタの筆跡のクリスマスカード

 書道の練習もPCで――山口県内の中小企業が参加する協同組合・バーチャルカンパニー未来(山口県防府市)は、筆圧や筆の動きを読み取る機器で、書道を“自習”できるシステム「筆のタクみ」を出展している。

 USB接続の書道用台「筆タク君」と、専用ソフト、お手本動画を収録したCD-ROMのセット。筆タク君の上で運筆すると、圧力センサーで筆圧や筆の移動軌跡を感知。筆圧が高い場合は大きな円で、低い場合は小さな円で、PC上に軌跡を表示する。手本の筆圧と見比べることで、理想的な筆運びを学習できるという。

photo 筆タク君をPCにUSB接続して使用する。1セット8万円。

企業の“特許キーマン”を自動抽出

 パティー・ラボ(岡山市)は特許情報を解析し、技術の中心人物を洗い出す「発明者相関分析システム」を出展している。特許情報データベースから筆頭発明者と共同発明者を抽出してツリー表示。ある分野や企業の中で、多くの発明に貢献している人物を簡単に探し出すことができる。大手企業の知財部や大学、人材系企業でのニーズを見込む。

photo キヤノンの1993〜1995年の発明者リスト。発明者別の出願リストや、表題・概要から抽出したキーワードランキングも
photo キソ化成産業(東京都千代田区)は、ラベルシールの間にICチップを挟み込み、手作りICカードを作るグッズを展示。チップとシールのセットで1枚500円程度といい、手軽にICカードを使ってもらうための入門ツールとして売り込む。
photo フェイバライツ(長野県中野市)は、名刺サイズのテレビアンテナを出展。一般の室内用アンテナと同等の性能があるといい、テレビチューナー付きノートPCや携帯電話など、モバイル機器での利用を想定する。

出来立て豆腐を家庭でも

 豆腐職人しか口にできなかった出来たてアツアツの豆腐を家庭でも――福山化成(広島県福山市)は、家庭用の豆腐製造機「とうふすてぃしょん」を展示。業務用の豆腐製造機をコンパクトにした製品で、豆乳とにがりを入れてスイッチを入れれば12分後にあつあつの豆腐が完成する。

photo

 豆腐製造装置は業務用だと20〜30万円という。同製品は3万1290円と低価格に抑えたが、「家庭用としてはまだ高い」(説明員)といい、今春には2万円以内の新製品を発売予定だ。

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