Google中国版の検閲問題をめぐり、米国に本拠を置く中国の人権擁護団体Human Rights in China(HRIC)が2月2日、中国版Googleの検索結果を米国版などと比較した報告書を公表した。「リーダーシップを発揮するのは今からでも遅くない」としてGoogleに方針転換を訴えている。
HRICは、中国版のgoogle.cn立ち上げ翌日の1月26日、米国版のgoogle.comと台湾のgoogle.com.twで中国語と英語を使って複数の用語を検索し、上位10件の結果を比較した。
例えば「六四天安門事件」を検索すると、米国と台湾のGoogleでは1989年の天安門事件について解説したサイトが出てくるのに対し、中国版では事件について直接記したサイトは表示されず、検索結果のリンクの大部分は機能していないか存在しないWebサイトにつながっていたという。
「法輪功」の検索では、米国と台湾のGoogleでは法輪功のサイトが表示されたが、中国版では法輪功批判のサイトが表示され、法輪功のサイトは出てこなかった。
実験ではいずれも中国国外からアクセスしているが、国内から利用した場合は一層の制限がかかるはずだとHRICは解説。また、天安門事件なども英語の「Tiananmen」で検索するとさまざまな結果が出てくるが、中国のユーザーの大部分は英語は使わないと指摘している。
「GoogleはMicrosoftやYahoo!に続き、オンライン人口が増大する中国に足場を築く狙いで中国政府の要求に屈した」とHRICは批判している。
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