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» 2006年02月17日 13時19分 公開

“テレビの技”でネットに切り込む――「ニュース・プラス1」配信 (2/2)

[岡田有花,ITmedia]
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“乙部の涙の理由”もフル公開

 テレビではできないことにもチャレンジする。VODサイト「第2日本テレビ報道部」では、放送し切れなかった映像をノーカットで公開する「ノーカット工房」が人気。番組時間に制限のないネットだからこそできる企画だ。

 例えば、ライブドア広報担当の乙部綾子さんのインタビュー映像。テレビでは、乙部さんが泣いている数秒間のシーンだけを主に切り出して放送したが、ノーカット工房は2分30秒のインタビューをネットでフルで公開した。

 「短く切り出せば、こちら側の意図に沿って演出できるし、それがテレビの作り方。しかし、そういった編集を嫌う人もいるし、全体の中で乙部さんが何を言いたかったのか見たい人はいるだろう」。乙部さんのムービーは、記録的なアクセスを叩き出したという。

 小泉首相のインタビューもフルで公開中。キーワードだけが切り出されがちな最近のテレビ報道とは異なるスタイルを模索する。

 記者が取材のこぼれ話を紹介するブログも公開している。「放送画面では小難しいことを言っている記者も、生身の人間だと伝えたい」と、取材現場を知る若井さんは言う。小泉首相の番記者ブログからは、「番記者の部屋は外から丸見えでちょっと居心地が悪い」などといった、記者の人間らしい一面がのぞける。

ALT 「ニュース・プラス1」放送終了後にキャスターが雑談する「動画ブログ」の収録中。笛吹雅子キャスターは「私たちを身近に感じていただければうれしい」と、近野宏明キャスターは「オンエアではできない、普段の生活の話もできて楽しい」と話す

次世代映像インフラで“大混乱”

 「どれが一番いいのかさっぱり分からない」――若井さんは困惑を隠さない。次世代の映像インフラは、ネットストリーミング、ビデオ・オン・デマンド(VOD)、サーバ型放送、ワンセグなど多種多様。「方向性が見えたと思った次の日にはまた別の技術が出る。大混乱状態」という。

 これまで、放送波というインフラを握った上で、コンテンツを放送してきたテレビ局。しかし、次世代の映像インフラの多くは、通信事業者が握る。「テレビ局は、巨大な制作プロダクションになる可能性もある」――番組制作力を保ち、地上波のメディアパワーを生かしながら、新たなインフラとどう付き合うかが今の課題だ。

 オープンから4カ月経った第2日テレも、試行錯誤が続く。「大プロデューサーが、初心に返って考えている」――番組作りの大ベテランもネットは素人。インフラやコンテンツ、ユーザーインタフェース、見せ方などを1から学び、ベストな姿を模索する。若井さんは「アクセスログの見方もやっと分かってきた。コツをつかんできた感触はある。ゆっくりだが一歩一歩進んでいる」と語る。

 第2日テレは、報道部も含めて4月に大幅リニューアルする。不評だったインタフェースなどを大幅に改善し、コンテンツも増やす計画。新企画も次々に投入する。「モノ作りのカンはあると思う。4月に期待して欲しい」

ALT 「報道局全体で、ネット配信を前提にした番組作りを進めている」と若井さん
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