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検索エンジン業界は今こそ世代交代のチャンス?(1/2 ページ)

» 2006年02月28日 17時46分 公開
[Ben Charny,eWEEK]
eWEEK

 フランスを拠点とする検索エンジンのExaleadによれば、同社は次なるGoogleになるのだという。「Google、待ってろよ」と同社共同創設者のフランソワ・ブルドンクル氏は語っている。

 Exaleadが進めている取り組みにより、同社は3年もあれば、世界トップ5のインターネット検索プロバイダーに仲間入りできるとブルドンクル氏は考えている。

 同氏の考えは、検索業界の今の時勢を暗示している。業界では、世界トップ3の検索エンジンであるGoogle、Yahoo!、およびMicrosoft MSNは目下、挑戦者にとってかつてないほど攻撃されやすい状態にあるとの認識が高まっている。

 これは少し言い過ぎだろう。結局のところ、毎週何十億件と行われているインターネット検索クエリーのうち97%は依然として、上位5社のプロバイダーを介して行われている。そのなかでも、Google、Yahoo!、MSNの3社が10件のクエリーのうち8件を処理している。

 実際、Googleブランドは検索市場のリーダーとして一般ユーザーの間にも広く定着しており、「google」は「インターネットを検索する」という意味の動詞として使われるようにまでなっている。

 それでも、今週ニューヨークで開催の検索エンジン業界の展示会Search Engine Strategies(SES)に参加している企業幹部らによれば、この市場への参入障壁が最高レベルに引き上げられる一方で、長年の検索リーダーを転覆させるチャンスも最大級になっているようだ。

 こうした考え方の背景には、革新の停滞、プライバシーに関連した問題行為、顧客サービスの不備など、検索エンジン大手に対する顧客の不満が増している現状がある。

 ブルドンクル氏は最近の取材で次のように語っている。「この市場には競争の余地がある。新たなGoogleが登場する余地がある。市場は今、これほど大部分のインターネットトラフィックを3社が独占している状態は長く持ちこたえらるものではないことをよく理解している。われわれはこの市場が新たなGoogleの登場を支持するものと確信している」

 Exaleadは今週、SESの開催に合わせ、6年がかりで開発した「ビジネスクラス」の検索製品の新版を発表し、こうした目標に向けた大きな一歩を踏み出す計画だ。

 SESには、大手の陰に隠れながらも、ときには何年も前から運営しているExaleadなどの検索企業が多数参加する予定だ。各社とも、今こそ飛躍的前進の格好のタイミングと考えている。

 さらにこのイベントに合わせて、インターネット検索エンジン第5位のAsk Jeevesもトップ3を目指した戦いを挑む。同社は社名をAsk.comに変更し、同社の長年のマスコットだったジーブス執事を引退させている。同社の新しい検索エンジンは、検索トピックの数をパーソナライズするための機能を備える。

 Ask Jeevesは2005年第4四半期の米国検索市場でのシェアを前年同期の5.4%から6.5%にまで拡大し、20%を超える勢いで成長している。

 さらに小規模な検索エンジンもまた、飛躍的前進の準備は整ったと考えている。PodBopサイトなどは、ユーザーの地理的ロケーションに基づいて検索を行い、その地域で開かれるライブ情報をポッドキャストする機能で認知度を高めている。

 ユーザーが未来について予想し、そうした予想をほかのユーザーと共有できるようになっているTwoCrowdsも、そうした新しい検索エンジンの1つだ。TwoCrowdsで最も人気の高い予想(理論上は、最も実現しそうな予想ということになる)は、「Apple Computerが携帯電話をリリースする」という予想と「GoogleがTVに広告を出す」という予想だ。

 Edgeioも、検索エンジンにはもっとさまざまななビジネスモデルの余地があると考えている企業の1社だ。

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