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メタデータで埴輪を知る――小学校で実験授業

» 2006年03月09日 21時20分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 メタデータを付与した複数の埴輪(はにわ)の画像をPCで操り、共通点や特徴などを小学生に発見してもらう研究授業が3月9日、西東京市立田無小学校で行われた。国立情報学研究所(NII)のプロジェクトの一環で、子ども達は楽しそうにPCを操り、「埴輪って奥が深い!」などと感想を語った。

画像

 NIIが富士通などと協力して開発したソフトを活用した。古墳時代を中心に、東京国立博物館などが所蔵する高精細な埴輪画像を収録してあり、各画像には品名、出土地、年代、大きさなどがメタデータとして添付してある。

 画像はズームアップ・回転させたり、年代別・出土県別に自動分類可能。マウスオーバーで解説文が出る機能や、特徴的な部分をマークで教えてくれる機能を備えた。

画像 年代・県別に分類した。縦軸に年代を、横軸に県をとっている

 授業に参加したのは、6年生の子ども達約30人。埴輪をズームアップして「剣を持っている人の埴輪」を見つけ出したり、出土県別に分類して「群馬と埼玉の埴輪は色が違った。土の種類が違うのかな」と分析したり、年代別に分類して「新しい埴輪のほうが、なめらかで美しい」などと、特徴を発見していった。

画像 一覧表示した埴輪から似たものを選び、ドラッグアンドドロップで専用エリアに移動させると、選んだ埴輪のメタデータを参照して共通点を探し出し、残りの埴輪も自動分類するという機能も。多くの子どもが「人や動物」グループと、「物や家」グループの2つに分類していた

 授業の成果は、メタデータを使った学習支援システムの研究開発に生かす。

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