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Linux&ITRONをマイクロカーネル上に仮想化 新アーキテクチャを産学で

» 2006年03月13日 19時57分 公開
[ITmedia]

 早稲田大学理工学部 中島研究室、筑波大学大学院 追川研究室、エルミック・ウェスコムは3月13日、組み込み向け新OSアーキテクチャの開発に共同で着手すると発表した。マイクロカーネル上にLinuxとITRONを仮想化して実装し、セキュリティや信頼性を強化する。成果はオープンソースとして公開する。

 1つのCPUマイクロカーネルを実装し、その上に仮想化したOSを複数動作させるプログラムを開発する。(1)それぞれのOSで動作しているアプリケーションに対し、他のOSからはアクセスできないため、アプリケーションやデータを外部から保護できる、(2)あるアプリケーションに不具合が生じても、影響がその実行環境の内部に限定されるため、被害を最小限に抑えることができる──などのメリットがあるという。

 事前実験により、マイクロカーネル上のITRONはリアルタイム性を十分に保証できたといい、新アーキテクチャでも従来と同等のリアルタイム性の実現を目指す。

 プロジェクト終了後の2007年3月にはソースコードを一般公開する予定。「リアルタイム性と信頼性が高いOSが普及することで、組み込み機器全体のパフォーマンス向上に寄与したい」としている。

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