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Intel MacでWindows Vistaが動く日は遠い(1/2 ページ)

» 2006年03月15日 15時42分 公開
[John G. Spooner, Mary Jo Foley,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは、PC市場に登場し始めたばかりの新しいタイプのPCファームウェア「United Extensible Firmware Interface(UEFI)」をサポートする計画を延期した。

 Microsoftは先週のIntel Developer Forum(IDF)でのプレゼンテーションで、2007年に投入予定のサーバ版LonghornにUEFIサポートを搭載することを明らかにした。UEFIはItaniumサーバ向けに開発された新しいファームウェアで、その後PC BIOSの後継技術として位置付けが変えられた。

 しかし同社は、当初の計画通り11月に発売する新しいPC用OS「Windows Vista」の最初のバージョンでは、UEFIサポートを提供しない予定だ。

 その代わり、UEFIサポートは「その後の64ビットクライアントリリース」に追加されるとMicrosoftの開発マネジャー、アンドリュー・リッツ氏はIDFでのプレゼンテーションで明らかにした。

 この新たなスタンスは、Vistaとサーバ版LonghornでEFIとBIOSの両方をサポートするという姿勢を覆すものだ。

 MicrosoftがVistaをリリースするために重要な機能を落としたのはこれが初めてではない。

 同社は2006年に同OSをリリースするという目標に間に合わせるため、WinFS(Windows File System)の搭載を見送った

 同社は2月にVistaの機能がそろった――つまり、これ以上の機能追加はない――が、機能がカットされないわけではないことを明らかにした。

 UEFIはIBM PCクローン市場誕生以来、初のPCファームウェア改訂であり、主にPCの安定性を高めることを約束している。それにもかかわらず、MicrosoftのUEFIサポート見送りは、WinFS搭載見送りの決定ほど大きな展開でないように見えると業界観測筋は指摘する。

 今回の動きは、Microsoftのファームウェアそのものに対する見解よりも、同社のデスクトップ用64ビットソフトへの見通しを反映したもののようだ。

 UEFIはサーバだけでなくデスクトップPCやノートPCをさらに安定させて管理しやすくすることで、ITスタッフの頭痛の種を減らすことを約束している。

 この技術は、PCのファームウェア(ハードウェアを制御する基盤ソフト)がOSとやり取りするための手段を標準化したもの。システム管理やリカバリなどのタスクに利用できるプリブートアプリケーションの実行のほか、マシンにインストールされたハードの認識や、OSのロードのための標準的な手段を提供する。

 これらのやり取りを標準化することで、UEFIは、システムの安定性に影響するコンフリクトを減らすと約束している。

 またこの技術は、ブートオプションの柔軟性も高め、マシンがNAS(ネットワークアタッチドストレージ)などの新しい媒体からブートしたり、管理アプリケーションなどのソフトをプリブートできるようにする。

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