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NEC、BIGLOBE分社化を正式発表

» 2006年03月28日 21時31分 公開
[ITmedia]

 NECは3月28日、ISP事業「BIGLOBE」を分社化し、新会社「NECビッグローブ」を7月1日に設立すると発表した。ブロードバンドの普及や放送と通信の融合、新しいWebサービスの登場といった事業環境の変化に対し、本体から切り離した事業会社とすることで機敏に対応し、住友商事や電通らの資本参加を得て事業の育成・拡大を図っていく。現在600億円超の売上高を、2008年度に1000億円超に引き上げるのが目標だ。

photo 新会社の社長に就任するNECの片山専務

 分社型新設分割(物的分割)方式で設立。代表取締役社長はNECで個人向け事業を担当する片山徹専務が就任し、代表取締役専務にNECの佐久間洋BIGLOBE事業本部長が就く。従業員は約500人の予定。

 7月末までに総額127億円の第三者割当増資を実施し、住友商事、大和証券グループ本社、三井住友銀行、電通、博報堂が引き受ける。増資後資本金は104億円となり、出資比率はNECが78%、住友商事が7%、大和証券グループ本社と三井住友銀行が各5%、電通と博報堂が各2.5%となる。

 新会社は既存のISP事業に加え、企業向けの「プラットフォームサービス」と、コンシューマー向けの「ブロードバンドメディア」の両事業を成長の柱に育てていく。

 プラットフォームサービス事業は、信頼性の高いネットワークインフラとNECのシステム構築力を組み合わせて企業に提供するネットワークサービス。ブロードバンドメディア事業では、映像コンテンツを核に動画広告やECを多層的に展開していく。

 「NECのDNAだけでは飛躍はできないだろう。新しい血を入れないと」(NECの川村敏郎副社長)──新生BIGLOBEの成長戦略を支援するパートナー企業には、資本面でも提携することで“本気度”を高めてもらう。住友商事はEC事業の本格展開をバックアップし、大和証券と三井住友銀行は個人向け金融サービスの強化で協力。電通と博報堂は、ブロードバンド向け映像コンテンツや新型広告商品の開発、ネットマーケティングで手を組む。

 BIGLOBEの会員数は、コンテンツ利用のみのユーザーを含め合計1320万人(2005年9月末時点)。売上高の内訳は「半分強がISP事業、残りがコンテンツ販売やプラットフォームサービスなどの付加価値事業」(佐久間BIGLOBE事業本部長)だが、新事業を拡大し、売り上げ1000億円超を目指す2008年度には「ISPと付加価値事業で半々」(同)にしたい考えだ。

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