「聞いてない」とは言わせない。今年の7月――本当なら数年前にそうなっていたはずだが――MicrosoftはWindows 98、Windows 98 Second Edition(SE)、Windows Meのすべてのサポートを終了する(関連記事参照)。
この発表の重要な部分を以下に抜粋した。
「Windows 98、Windows 98SE、Windows Meに対する緊急セキュリティアップデートは2006年7月11日で終了します。この日以降、どのようなセキュリティアップデートも提供されません」
なんとまあ、これできっと、たくさんの脆弱なWin9xユーザーが食い物にされることになるだろう。わたしにはよく分からないが、それがどうしたというのだ。
Microsoftがその後もWin9x(ここではWindows 98、98SE、Meを指す)のパッチを出してくれると期待するのは、Chryslerが65年モデルのダッジダートの部品をまだ作ってくれると期待するようなものだ。たとえ安全策が議論中でも、もう十分だ。さっさと新しい車やコンピュータを買うべきだ。
(これについてメカニックに聞いてみたが、自動車メーカーによって方針が違うという。米国の大手自動車メーカーはたいてい発売から5〜6年で部品の製造を終了する。その後はアフターマーケットか中古品売り場に行かなくてはならない。トヨタや日産の場合は、20年前のモデルのディーラーパーツを入手できる)
この状況は明らかに、2004年末にWindows NT4のサポートが終了したときと似ている。ただし大きな違いが1つある。このときMicrosoftが敵に回す可能性があったのは、多くの大企業を含む企業ユーザーだった。同社はこうした企業の意見を聞き、彼らを常に満足させようとしている。
Win9xの場合は事情が違う。もしも何かの用途にWin9xを使っている大企業があったら驚きだ。もしそうなら、そんなこと恥ずかしくて言えないはずだ。
Win9x向けのサードパーティーのセキュリティ製品を買うのも難しくなっている。例えば、Norton 2006はWin9xをサポートしていないが、旧版OS向けにNorton 2005が同梱されている。賭けてもいいが、Symantecは1〜2年以内にNorton 2005向けのシグネチャファイルの提供をやめるだろう。
Win9xを走らせている古いPCをまだ使っているコンシューマーはたくさんいるはずだ。彼らは問題を抱えている。どんなに慎重になっても、十分な自衛ができなくなる日がやってくる。何年も前から、ゆっくりとその日は近づいてきた。
Microsoftはかなり前に、緊急でないWin9xのパッチを発行するのをやめている。4月10日の週にリリースされた最新のパッチには、このようなアップデートが1つ含まれている。それがOutlook Expressの累積セキュリティアップデート(911567)だ。「重要」レベルのものはこれだけだ。
ほかにも4月にはWin9x向けに緊急レベルの3件のアップデートが発行されているが、Microsoftは(ダウンロードセンターで)ダウンロード可能なパッチをもう提供しておらず、Windows Updateサイトを通じてのみアップデートを提供している。
これは興味深い――どうしてMicrosoftはそんなやり方をしているのだろうか? おそらくは、アップデートを取り上げやすくするためだろう。個々のパッチが入手できなくなったときに、代替パッチサイトを設けたり、サードパーティーのパッチ管理プログラムにWin9xパッチを含める方がずっと難しい。
Windows Meは常に過ちだった。ひどい製品だった。MicrosoftにXPを準備する猶予を与えるために出てきたものだったが、わたしが知るMeユーザーは皆、このOSを嫌っていた。Windows 98、特にWindows 98SEは、現役時代には優れた製品だった。
だがその時代は遠い昔だ。シートベルトのない車や有鉛ガソリンを使っている車と同じように、現代のインターネットで古いPCを使っていると、リスクを冒しているだけではなく、そのリスクをほかの人にまで及ぼすことになる。今こそ先へ進むときだ。
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