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はてな近藤社長「Web2.0はラベルに過ぎない」

» 2006年05月02日 16時06分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「世の中的には、はてなは“Web2.0企業”ってなってるらしいですね。どこでそうなったのか分からないけど」――はてなの近藤淳也社長は、他人事のようにつぶやく。

 同社は、Web2.0を語ったベストセラー書籍「ウェブ進化論」(梅田望夫著)で紹介されるなどし、一気に「Web2.0型企業」として認知されるようになった。Web2.0に関するインタビュー申し込みも多いという。

画像 近藤社長は、インタビュー音声もできる限り録音してポッドキャスト公開する。このオープンさも「Web2.0的」だ

 近藤社長は、Web2.0は「ラベル」でしかないと言い切る。「ぼくたちが前々から考えていたことや、ネットの中にいる人たちが経験的に分かっていたことにまとめてラベルをつけ、外の世界に伝えようとした集合がWeb2.0」。真新しい概念などではなく、ネットの中と外の世界とをつなぐ架け橋と見ている。

 ラベルに書いてある成分――ティム・オライリーの言うWeb2.0の要素――の多くは、確かに同社に当てはまる。「はてなの中身を見ると、不特定多数のたくさんの力を信じるという感覚や、オープンさはそもそもあった。2.0的と言われたら、そうだと思う」

 ただ、分かりやすいラベルが登場したからといって、会社やサービスの中身が変わるわけではない。「ラベルはどうでもいい。踊らされない程度に付き合っていきたい」

Web2.0は「ドットコム2.0」?

 Web2.0というラベルはここ最近、中身を置き去りにして1人歩きを始めているきらいがある。「Web2.0型」を自称する企業やサービスが続々と登場し、「Web2.0企業限定で出資する」というベンチャーキャピタルも現れている。

 「Web2.0は、お金の匂いがしてきてから急にうさんくさくなった。マーケティング用語というか、『そう言っとけば投資家も納得』みたいな雰囲気はあるかな、という気は若干する」

 Web2.0は今後どうなる?――問いかけると、こんな答えが返ってきた。

 「ドットコムみたいな感じで終わるんじゃないんですか? ドットコムは1.0で、Web2.0は2.0というような。2回目の波が来たんじゃないかな」

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