グーグルは5月11日、書籍の本文テキストを対象にしたキーワード検索サービス「Googleブック検索」の年内提供開始を目指し、出版社向けの窓口となるページを公開した。
Googleブック検索は、2004年に米国で開始した「Google Book Search」(開始当時は「Google Print」)の日本語版。出版社から提供された書籍をスキャンしてテキスト化し、一般ユーザーが任意のキーワードにより検索できるようになる。検索結果は基本的にオリジナルの書籍の1ページずつイメージとして表示する仕組みだ。
Googleブック検索で表示されたページイメージはコピーや印刷、ファイル保存などはできない。また1冊の書籍の内容のうち、どの程度の割合をGoogleブック検索に提供するかは出版社側が判断する。Googleブック検索結果のページには、広告や書籍販売サイトへのリンク、近隣書店の場所を示すGoogleマップのリンクなどが表示される。これらの機能によって、書籍を提供する出版社や著者には、書籍そのものの売り上げにつながる機会が得られることになる。
グーグルが公開した窓口ページは、出版社に向けて、Googleブック検索の内容を説明しパートナープログラムへの参加をうながすもの。このプログラムにはISBN(日本図書コード)を持つ書籍を発行している出版社であれば無償で参加できる。書籍のスキャン費用やGoogleブック検索への登録に関しても無償という。今回、パートナープログラムや書籍登録の仕組みが一通り整備されたことで、今後グーグルは出版社に対して参加を働きかけていく。
同社では順調に書籍が集まるようであれば、年内にも一般ユーザー向けにGoogleブック検索を提供したいとしているが、サービス開始で先行した欧米では、出版社団体や著作権者団体からの反発を受けた(関連記事参照)こともあり、日本では出版社などの反応を見ながら慎重に進めていくもようだ。
グーグルによると書籍だけを検索対象にしたhttp://books.google.com/(現在は英語版のみ)のほか、通常のWeb検索の検索結果に書籍の検索結果も合わせて表示することも考えているとしている。また、欧米で提供しているGoogle Book Searchでは出版社からだけでなく、いくつかの大学付属図書館からも著作権の切れた書籍を中心として提供を受けているが、日本では現在のところそうした計画はないという。
なお、書籍のデジタルデータ化やその検索サービスについては、Googleの発表後Yahoo!やMSNも類似の計画を進めている。
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