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iTMSは消費者の権利を侵害――消費者団体の訴え認められる

» 2006年06月08日 09時31分 公開
[ITmedia]

 ノルウェーの消費者団体が6月6日、Apple ComputerのiTunes Music Store(iTMS)のデジタル権利管理(DRM)は消費者の権利を侵害するという訴えが認められたと明らかにした。

 この団体Consumer Councilは今年1月に、iTMSは消費者の基本的な権利を侵害していると消費者オンブズマンに苦情を訴えた。同団体は、iTMSのDRM技術「Fairplay」は顧客をiPodに囲い込むためのものであり、不当であると主張している。

 消費者オンブズマンはこの訴えを認め、またiTMSのサービス規約はノルウェーのマーケティング規制法に照らして不当であるとも明言したという。

 さらに、ノルウェー版iTMSのサービス規約が英国法に基づいているのは不当であり、iTMSは6月21日までにサービス規約をノルウェーの法律に合わせて変更しなければならないと消費者オンブズマンは決定した。またこのサービス規約に関して、iTMSにはそのソフトにより生じる損害に対するあらゆる法的責任はないという条項と、同サービスは楽曲に対する権利を変更できるという条項も不当とした。

 Consumer Councilは、ノルウェーで運営されているほかのダウンロードサービスも注視しているという。「このような規約や技術的規定はiTMSに限ったものではない。ほかの企業も同様の規定を設けている。オンブズマンが、われわれが申立書で挙げたほかの音楽サービスも追及すると期待している」と同団体は述べている。同団体の申立書では、MSN、CDON.COM、Musiconline、Prefueledが挙げられている。

 同団体はiTMSの回答を待ってから、クーリングオフ期間、DRMや地理的制限が不当であるかどうかの最終決定を下すという。

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