米Googleは現在、ユーザーのポストクリック(クリック後)のアクションに基づいてサイトオーナーに報酬を支払うタイプの、新しい広告プログラムをテスト中だ。
「Cost-Per-Action」と呼ばれるこのプログラムは、GoogleのAdSenseチームがWebサイトオーナーあてに送信した招待メールで明らかになった。
このメールには次のように記されている。「Google AdSenseチームは皆様を新機能のテストにご招待します。顧客獲得単価(CPA)ベースの成功報酬型の広告により、ご自身のWebサイトから売り上げを上げるための新しい方法を提供します」
「この広告が従来の広告と大きく異なるのは、広告を幅広いセレクションから選択できる点や、その促進を柔軟に行える点などです」とさらにこのメールには記されている。
Googleの広報担当者によるコメントはすぐには得られなかった。
CPA広告がAdSense広告と異なるのは、サイトを訪れたユーザーが広告をクリックし、特定のアクション(広告主の製品を購入するなど)を実行した場合にのみ、サイトオーナーに報酬が支払われる点だ。
これに対し、AdSenseのテキスト広告では、ユーザーが単に広告をクリックしただけで、サイトオーナーに報酬が支払われる。
Googleのメールによれば、CPA広告はAdSenseネットワークとは別個の「Content Referral」ネットワークで表示されることになるため、CPA広告がAdSense広告と競合することはない。またGoogleによれば、CPA広告はAdSenseとは異なるユーザー層にアピールする見込みという。
「これは、インターネット広告の説明責任と可測性の強化を目指したものだ」とAmerican Technology Researchのアナリスト、ロブ・サンダーソン氏は指摘している。
GoogleのCPA広告モデルは、AdSense広告を使っていない企業や、これまでにクリック詐欺の被害に遭ったことのある企業にとって、より快適な広告システムを提供することになるだろう。
「Googleの広告モデルはオークションベースであるため、自然治癒型の広告モデルと言える。同社は目下、クリック詐欺のターゲットにされたと感じている人たちや、不当にであれ正当にであれ、従来の広告システムから取り残されてしまっている人たちに、救済策を提供しようとしているのかもしれない」とサンダーソン氏は指摘している。
各種会見の発言記録を提供しているSeeking Alphaのデビッド・ジャクソン氏はこの取り組みについて、GoogleにとってはValueClickへの対抗策なのだろうと語り、アフィリエイトマーケティング企業のValueClickに言及している。
「GoogleはValueClickよりも多くのリソースを備え、広告主ベースも大きい。そして、サイト発行者にはフル装備の広告を提供できるという強みもある。広告は、ページビューをベースとするもの(CPM)、クリック数をベースとするもの(CPC)、そして今では実際の購入やリードをベースとするもの(CPA)も提供できるようになった」と同氏。
「Googleはこうした広告の成果を事実上のCPMに変換し、どのタイプの広告が最大限の売り上げを生み出せるかをサイト発行者が比較/最適化できるようにすることが可能」とジャクソン氏。Googleがこのプログラムをテストする一方、業界ではクリック詐欺に対する懸念が高まっている。クリック詐欺では、広告主は不正なクリックに対しても報酬を支払わなければならない。Googleは先ごろ、クリック詐欺訴訟で9000万ドルの和解合意に達している。
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