やわらか戦線が拡大している。
2006年2月末、ITmediaは「やわらか戦車」というFlashアニメを紹介した(2月27日の記事参照)。livedoorネットアニメで配信された個人制作コンテンツが、ブログなどの力を借りて徐々に有名になっているという内容で、記事末尾には制作者であるラレコさんのコメントとして「『やわらか戦線』の拡大を目撃してほしい」というセリフも掲載した。
それから4カ月がたった今、“戦線”は確実に拡大していた。ライブドアとファンワークスは7月4日、同アニメの商品化を希望する企業と「やわらか連合軍」を結成すると発表。玩具、雑貨、映像、書籍など多岐にわたるジャンルで商品をリリースすると明かした。
連合軍の顔ぶれは、バンプレスト、タカラトミーグループ、USEN、タイトー、角川ザテレビジョン、エフエム東京、ジェネオン エンタテインメントなど。これらの事業者が相乗りし、各々強みを持つ分野でのキャラクター商品展開・クロスプロモーションを行う。
ライブドアと協力してやわらか戦車の版権管理、プロモーション戦略立案を行うファンワークスの高山晃社長は、やわらか戦車の商品化をめぐって50社以上から申し出があったと話す。
「そのうち10社あまりでチームを組んだ。『連合軍』という言葉はダテではなく、今年の8月から年末にかけて、続々と40以上のキャラクターグッズをリリースする」
具体的には、例えば食玩を手がけるすばる堂が、コンビニ玩菓を制作する。バンプレストはアミューズメント施設向けグッズを用意する考えで、クレーンゲームにやわらか戦車が登場するようだ。ディズニーなどのグッズを担当するラナは、今回1メートルの大きさのぬいぐるみを制作するという。
「どの企業も、面白がって企画を立ててくれている。小物系では、製品アイデアと一緒に柔らかい素材を送ってきて、『うちのグッズだとこんなに“やわらか”ですよ!』とアピールする企業もある」(笑)
携帯コンテンツとしては、タイトーやエフエム東京、ビクターネットワークスが着メロ、着うたを配信。“や〜わらか戦車、や〜わらか戦車”というメロディを持ち運べる。出版系では、角川ザテレビジョンが絵本を企画。ジェネオン エンタテインメントがDVDを手がける構想もあり、「コンビニだろうと、本屋だろうと、ビデオショップだろうと、やわらか戦車はあちこちに出現する」(笑)。
やわらか戦車の商業展開が進む理由としては、コンテンツ自体に一定の魅力があることや、個人制作アニメなので著作権処理が容易であること(3月3日の記事参照)などが挙げられる。
だが、それだけではない。
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