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近づくな、怪しいリンクやURL――IPAが注意呼びかけ

» 2006年08月02日 16時15分 公開
[高橋睦美,ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)は8月2日、2006年7月のウイルス/不正アクセス届出状況をまとめ、公開した。同時に、ワンクリック詐欺やセキュリティ対策ソフトの押し売りといった手口に関する相談が後を絶たないことを踏まえ、「怪しいサイトに近づかない」「もし怪しいと思ったらその先に進まない」よう注意を呼びかけている。

 IPAではこの半年ほど、ユーザーの心理を逆手に取る巧妙な手法で金銭を詐取しようとする手口に注意を呼びかけてきた。

 その代表例の1つが、アダルトサイトなどの画像やリンクをクリックしただけで「登録ありがとうございます」と料金を請求したり、悪意あるプログラム(ワンクリックウェア)をダウンロードさせて請求画面をしつこく表示させるワンクリック詐欺だ。

 また最近では、本当は感染していないにもかかわらず、「ウイルスに感染している」「エラーが発生した」といった偽のメッセージを表示してユーザーを不安に陥れ、偽のセキュリティソフトをダウンロードさせて入金を迫る「対策ソフトの押し売り」に関する相談も増加しているという(関連記事)

相談件数の推移 4月 5月 6月 7月
ワンクリック不正請求 161件 210件 211件 159件
セキュリティ対策ソフトの押し売り行為 40件 41件 24件 43件
相談総件数 904件 846件 773件 767件
IPAに寄せられた相談件数の推移

 もちろんユーザーのほうも、わざわざだまされようと思ってこうした詐欺サイトにアクセスするわけではない。しかし、利用者の心理を逆手に取った巧妙な手口が用いられるため、残念ながら「セキュリティ対策ソフトの導入やセキュリティホールの解消などの技術的対策だけでは対処できないことがある」(IPA)。

 寄せられた相談の中には、「お気に入り」に登録していたWebサイトに久しぶりにアクセスしたところ、以前とはまったく異なる英語のサイトに変わっており、しかも「あなたのPCはウイルスに感染している」といった警告が表示されるようになっていたケースもあったという。「信頼できるサイトからのリンクでも、このようなことが起こり得る」(IPA)。ジャンプした先で不用意に[はい]や[OK]などをクリックしないよう注意すべきという。

 IPAによると、こうした怪しいサイトへのリンクは、スパムメールの本文やブログのトラックバックに記されているケースが多いという。こうしたリンクを「安易にクリックしない」とともに、もしクリックして怪しげな、妙なWebサイトにアクセスしてしまった場合は「すぐにページを閉じる」よう心がけることが有効な対策だとしている。

 なお、2006年7月のウイルス検出数は、6月の約164万個から5.9%減少して約154万個となった。最も多く検出されたウイルスは引き続きNetsky(約124万個)で、全体の81.4%を占めている。

 また、不正アクセスの届出件数は15件で、うち実被害が生じたのは8件。中には、「まさか外部からアクセスされ、ログインされるとは思ってもいなかった」という理由で、管理用パスワードが設定されていなかった無線LANルータが不正にログインされたというケースが報告されている。

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