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「OSの収益性ではAppleがMSより一枚上手」とアナリスト

» 2006年08月29日 12時45分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 OS事業の収益性を最大限に高めるという点では、より頻繁に、少し高めの価格でOSの新版をリリースしている米Apple Computerの方が、ライバルのMicrosoftよりも一枚上手だ――。

 これは、調査会社Piper Jaffrayの上級アナリスト、ジーン・マンスター氏が8月28日に発表した新しい分析リポートで指摘している結論だ。

 Appleは2001年以来、約1年に1回の頻度でOS新版をリリースしている。こうした新版の価格はフルバージョンが129ドル、アップグレードが107ドルだ。

 一方、MicrosoftがWindowsの新版をリリースする間隔は平均で2年強となっている。平均価格はフルバージョンが114ドルで、アップグレードが48ドル。

 マンスター氏によれば、その結果、Appleの方がMicrosoftと比べて、より上手に収益性を高められている。Appleは製品をより迅速に市場に投入し、若干高めの価格をつけることで、自社製品に対するユーザーの熱意をうまく利益につなげることができているからだ。

 さらに同氏によれば、Appleユーザーは最新版のOSにアップグレードするためであれば毎年の出費も厭わず、また、AppleはiChatや検索技術のSpotlightなどの新機能を顧客にアピールするためのマーケティング手腕にも長けている。

 「AppleのOS価格戦略は、同社の全体的な戦略と一致している。つまり、AppleユーザーはAppleプラットフォーム用に構築されたハードウェアとソフトウェアのためであれば、割高の料金を支払うことを厭わない。そのため、Appleは利益幅を拡大できる」とマンスター氏。

 また、Appleは自社OSの新版をほぼ毎年リリースし続けることで、MicrosoftがVistaのリリースに5年もの歳月をかけているという状況も有利に活用している。

 また一方では、Intelプロセッサ搭載のデスクトップPCとノートPCのおかげで、AppleのMacintoshシリーズも復活を遂げている。

 「Appleは周辺機器の販売とOSの頻繁なアップデートを介して、競合他社よりも高い顧客単価を実現している。それを考えれば、同社にとって、Macの市場シェアの拡大は単にMacの売り上げ増以上の意味がある」とマンスター氏。

 同氏の分析では、2001年3月1日以降にリリースされたApple OSのすべてのバージョンと、Microsoftが1998年6月25日以降にリリースしたすべてのWindowsとが比較されている。

 MicrosoftはVistaを2006年中にリリースする予定だ。一方、Leopardと呼ばれるAppleの新版OSは2007年上半期のリリースが予定されている。

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