SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)「mixi」で、「mixiユーザーの日本人写真家が、ロサンゼルスで行方不明。情報を提供してほしい」という内容の日記が大量に投稿されている。写真家の個人名で日記検索すると、9月28日午前11時30分現在で、1万4000件以上がヒット。多いときは1分に2〜3件のペースで増え続けている。
一部のユーザーは、情報の拡散が写真家の家族などに迷惑をかけているとし、「日記を不用意に広めないで」「日記から写真家の個人情報を削除して」などと呼びかけているが、情報拡散は止まりそうにない。
行方不明のニュースは、9月15日から16日にかけ、日本のテレビや新聞で報道された。コピー元の投稿は、報道や、ロス警察がWebで公開している行方不明者情報を受けてmixi内でなされたようす。いくつかバリエーションがあるが、以下のような内容だ。
「mixiユーザーの日本人写真家が、ロサンゼルスで行方不明になっている。本人のmixiに、家族がアクセスしている。情報を持っている人は提供してほしい。また、この呼びかけをコピー&ペーストして広めてほしい」。投稿には写真家のmixiのURLが書かれ、一部には、写真家の家族の携帯電話番号も掲載されていた。
呼びかけを見たmixiユーザーは、内容をコピー&ペーストして日記に貼り付けたり、自分が所属するコミュニティーにトピックとして掲載、個人ブログにも転載するなどして、情報が急速に広まっていった。
この結果、写真家の日記のコメント欄は応援メッセージで満杯になり、新たな情報提供ができない状態に。混乱を収拾するためか、mixiユーザー全体に公開されていた日記は「友人のみに公開」に制限された。携帯電話番号も広まってしまったため「関係ない人から家族に電話が殺到し、困っている」と、家族と連絡を取ったというmixiユーザーは伝えている。
情報の“チェーン化”を問題視した一部のユーザーは、チェーン日記を憂うコミュニティーを作成。写真家の早期発見を願いつつ、写真家本人や、ロス情報に関係ないユーザーは、不用意にチェーン日記を広めないよう、また、日記に書いた場合も、家族の携帯番号や「コピーして広めてください」という文章は削除するよう呼びかけている。
このコミュニティーの紹介文には、以下のように書かれている。
「mixiの善意が集まった結果、善意が善意であり続けることができなくなったことがご理解いただけますでしょうか。こんな悲しいことがあるでしょうか」
「(日記の削除をお願いしていることについて)多くの善意に対して、大変申し訳なく思います」
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