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コンピュータ環境は大きく変化、より「ユーザー中心」へ――Gartner予測

» 2006年10月10日 07時52分 公開
[ITmedia]

 調査会社のGartnerが10月9日、コンピュータをめぐる今後2012年までの環境変化予測を発表した。技術の進化に伴い、より「ユーザー中心」の環境へと大きく変化していくと予測。IT管理者は、技術変化の時期や内容を理解し、IT関連の決断に生かす必要があるとした。

 Gartnerによると、2007〜2008年はインフラの変化が起こる時期で、ハードウェア、OS、接続方法が大きく変化する。OSでは、Microsoftの次期OS「Windows Vista」がWindows 2000以来最大の変化をもたらす可能性があり、その採用に当たっては、エンドユーザー管理プロセス全体へのインパクトの検証が必須であるとした。また、米Intelの新しい「Core」プロセッサの登場により、プロセッサは従来のようなコストパフォーマンスではなく、省電力、マルチコア、セキュリティなどの機能でも評価されるようになる。こうした多機能化・高度化は一方で、マシンの仕様や構成を複雑にするため、新システムの採用時や購買時、どう比較検討するかの教育や周知が重要となるだろう、とした。

 また、企業でのノートPCの導入が一層拡大し、2008年にはデスクトップへの投資と同程度になると予測。Gartnerでは、ノートPC導入は比較的高コストだが、ユーザーの生産性向上などの効用も考慮されるべきとした。

 2009〜2010年は、あらゆる面で仮想化が進む時期と位置づけた。この時期、ユーザーの多くが、企業から支給されたPCではなく、個人所有のPCを利用するようになり、仕事をモバイル環境で行うことも標準的になるとも予測。ITの管理やセキュリティをめぐる枠組みが根本的に変化すると見る。IT管理者はセキュリティ、法令遵守、コストなどが損なわれないよう管理プロセスを変更し、仮想化技術の採用を行う必要が出てくるとした。また、Windows XPのサポート終了が近づき、構造的によりモジュラー化が進んだ「Vista後」のOSの兆しも見え始めると見ている。

 2011〜2012年は、ユーザー中心の時期。企業向けとコンシューマー向けとの境界があいまいになり、ユーザーは1つのコンピュータ環境であらゆる場面に対応できることを望むようになると見る。また、ユーザーは複数の端末やコンピュータ環境に同じ設定を自由に持ち運びできるようになるとも予測。コンピュータの操作を音声、視覚、ジェスチャーなどで行うモデルも登場するだろう、としている。コンピューティングがユーザー中心へと移行するに伴い、エンドユーザー向けのプラットフォームは単なるコストセンターではなく、業務の効率化や人材確保などのチャンスとして生かす必要があると指摘した。

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