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楽天市場のAPI公開 “楽天経済圏”拡大に生かす

» 2007年01月17日 18時04分 公開
[ITmedia]

 楽天は1月17日、ECサイト「楽天市場」のAPIを公開するサイト「楽天ウェブサービス β版」をオープンした。まずは商品検索APIなど4種類を公開し、順次追加する。外部サイトにAPIを活用してもらい、楽天市場への集客につなげる狙いだ。

 まず公開したのは、楽天市場の商品の情報を取得する「商品検索API」、楽天市場のジャンル名・ジャンル構造を取得する「ジャンル検索API」、商品コードから商品情報を取得する「商品コード検索API」、「楽天ブックス」で販売している書籍の情報を取得する「書籍検索API」。

 楽天IDでログインし、専用の「デベロッパーID」を取得すれば無料で利用できる。リクエストは1 IDあたり1秒間に1回まで。今後は、DVDやCD、商品カタログや、「楽天トラベル」の情報を取得できるAPIを公開する予定だ。

 昨年末にα版を一部企業などに限定公開しており、すでに関心空間やカヤックなどがWebサイトに導入。専用ブログでまとめて公開している。

 カヤックの貝畑政徳CTOは「アフィリエイトを導入しすくなった」と評価。APIを活用し、ページ内のコンテンツに合ったアフィリエイトリンクを自動作成するサービスなどを開発したアーティキュレイトの久松慎一社長は「新しいおもちゃを手に入れた気分。Amazon.co.jpなどよりも商品ラインアップが広いのが嬉しい」などと語った。

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 楽天のウェブサービスプロジェクトリーダー・和田圭さんは「APIを“楽天経済圏”の窓口にする」と狙いを語る。「ユーザートラフィックが、ポータル経由から検索経由、そしてCGM(Consumer Generated Media)経由と変化してきている。APIによって、CGMなどいろいろなサイトに集まっているユーザーを、楽天に集客したい」(和田さん)

 説明会では記者から「楽天市場からの外部サイトリンクを禁止するなど閉鎖的と言われてきた楽天だが、API公開でオープン化にかじを切ったということか」という質問が出たが、和田さんは「オープン化戦略といえばそうかもしれないが、外部サイトと楽天市場内部は切り分けて考えている」と答えるにとどめた。

 また、楽天として今年は、PCや携帯電話以外のデバイス――カーナビやデジタルテレビなど――へのサービス展開を進めていきたいとしている。海外展開も積極化する方針だ。

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