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» 2007年01月18日 12時53分 公開

メールに埋もれる企業をRSSが救う?(1/2 ページ)

大量のメールやブラウザの「お気に入り」のチェックで消耗するオフィスワーカーが、RSSに注目している。

[Stan Gibson,eWEEK]
eWEEK

 電子メールだけではやっていけないが、電子メールなしでもやっていけない。

 電子メールは現在のほとんどの企業にとって不可欠だが、オフィスワーカーと彼らをサポートするIT担当者の大きな悩みの種でもある。肥大化したメールボックスに埋もれて重要なメッセージが見つけにくくなっており、膨大な量の迷惑メールや無駄なメッセージがサーバとネットワークに負担を掛けている。

 高スキルの専門職者が重要な情報を探してメールボックスをチェックしたりWebサイトをブラウズして、貴重な時間を浪費しているのが現状だ。たまりかねた多くのIT担当者が、電子メールがもたらす問題を改善しようとRSS技術に目を向けている。

 「電子メールは、新しい情報の入手源として設計されたものでは決してない」と消費者製品大手Procter & Gamble(P&G)で最新IT技術の導入を担当するチャールズ・ケビン・ヒル氏は語る。ヒル氏の仕事は同社のナレッジワーカーが、業務の妨げになる電子メールの氾濫に見舞われることなく、業務に生かせる最新情報を入手できるようにすることだ。

 P&Gのナレッジワーカーの中で新技術導入の先陣を切っているのが、アウトソーシングを高度に活用した同社のビジネスモデルを担う200人の購買スペシャリストだ。「当社の購買スペシャリストは、ナレッジワーカーが直面する数々の問題をさんざん経験している。われわれは彼らにRSSベースのツールを提供して、彼らが外部の情報源から選択した、独自のニュースフィードを管理するのに使ってもらっている」とヒル氏。同氏はNewsGator TechnologiesのNewsGator Enterprise Serverソフトを採用している。

 「RSS」は幾つかの言葉を表す略語だが、そのうち最も認知されているのはReally Simple Syndicationだ。RSSフィードを取得してPCユーザーに表示するRSSリーダー(大半はブラウザユーティリティで、無料)は数多く出回っている。

 RSSは7年前、Netscape CommunicationsのNetscape Communicatorブラウザに搭載されて初めて登場し、技術に詳しい消費者の間で大きな支持を獲得してきた。この技術は2007年には、企業への普及も急速に進みそうだ。Microsoftは電子メールクライアントのOutlookとSharePoint ServerでRSSを強力にサポートしており、IBMのLotus部門も、今年半ばに出荷予定のNotes Domino 8でRSSサポートを強化するからだ。

 RSSは、ブログやWiki、ポッドキャストと並んで、1980〜90年代に生まれ、大挙して仕事に就き始めた「Y世代」に受け入れられている技術の1つだ。RSSはブログやWiki、ポッドキャストのコンテンツに対応している。

 「RSSは消費者主導型の技術だが、個人ユーザーよりも企業にとってのメリットの方が大きいかもしれない。RSSは既存の形態のコミュニケーションを効率化するのに役立つため、企業はすぐにメリットを得られるだろう」とForrester Researchのアナリスト、オリバー・ヤング氏は語る。「RSSにより、電子メールをより効率的に利用できるようになる可能性がある。電子メールでは、タイムリーさや、注意すべきメッセージとそうでないメッセージの区別が大事だ。RSSはそうした要素を向上させることができる」

 NewsGatorは、新しい企業向けRSS市場で名を上げようと狙う新興小企業3社の中で、最も規模が大きい。ほかの2社はAttensaとKnowNowだ。3社の製品はいずれもMicrosoft Exchangeのプラットフォームと統合されており、このことは企業市場に食い込む上で重要だ。

 P&Gのヒル氏のようなIT担当者にとっては、RSSのメリットをビジネスユーザーに届ける適切な方法を見いだすことが課題となっている。「技術的な障害はないが、人々に使おうという意欲を持たせるのは大変かもしれない。この技術は、新しい情報を最もたくさんチェックしなければならない人々に最も役立つが、彼らは新しい技術を理解する時間が一番ない」

 そこでヒル氏は、新しい技術に関心が高いユーザーを見つけて、NewsGator Enterprise Serverソフトから彼らにフィードを配信し、採用が自然に進むのを待った。「ほとんど口コミで利用者が広がっている。われわれはイノベーションリーダーを指名した後は、人々が新しいツールを使うようになるのを見守っている」(ヒル氏)

 一方、一般に法律事務所は、新技術をいち早く導入する組織ではないが、新たな競争環境に直面し、サービスをこれまで以上に積極的に、かつ世界規模で提供するようになってきている。そうした中、全米でサービスを展開するDykema Gossettは、NewsGator Enterprise Serverを利用して、マーケティングマネジャーの業務の効率化を図っている。

 「大企業は法務サービスの提供者を探す場合、RFP(提案依頼書)を出す。法律事務所は彼らのもとに足を運んで、プレゼンテーションをしなければならない」とDykemaのWeb技術担当マネジャー、ビル・グラッチ氏は語る。Dykemaでは、プレゼンテーションとフォロー営業に関する情報がデータベースに保存され、データベースからマーケティングマネジャーにRSSフィードが配信されるようになっている。

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