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» 2007年01月18日 12時53分 公開

メールに埋もれる企業をRSSが救う?(2/2 ページ)

[Stan Gibson,eWEEK]
eWEEK
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帯域がボトルネックになる恐れも

 「われわれのマーケティング担当者はこのツールが非常に気に入った」とグラッチ氏。同氏は電子メールの問題点を克服するため、RSSの採用を拡大する考えだ。

 「普通の電子メールは使い方が混乱してしまった。われわれの事務所では、パラリーガルから弁護士、マーケティング担当者まで、800人のユーザーが普通の電子メールを使っていた。だが、何でもかんでもメールで送りつけられるようになり、みんなへきえきしてしまった」とグラッチ氏。同氏は、NewsGatorがMicrosoft Outlookと統合されている上、集中管理できる点を高く評価している。後者は企業向けRSSシステムの大きなセールスポイントだ。

 人材会社Spencer Stuartは、同社のヘッドハンターが消費財やハイテク、メディア、金融サービスといった業界の最新の動きを把握できるようにするため、NewsGator Enterprise Serverを利用している。彼らは各業界の企業幹部の異動や、事業統合、合併などの動向を追わなければならない。

 「われわれは、RSSの威力がわれわれのユーザーに活用されるようにすることを目指している。以前は、ユーザーは自分からサイトにアクセスして、新しい動きがあったかどうかをチェックしなければならなかった。RSSを使わないユーザーは、ブックマークを頼りにしているはずだ。だがRSSを使えば、自分から情報を追わなくて済む。動きがあって情報が更新されたら、その最新情報が手元に届くからだ。サイトを継続的にチェックする代わりに、RSSフィードが新しい情報を知らせてくれるのを待っていればいい」とSpencer Stuartのシニアマネジャー、トラパー・マーケルズ氏は語る。

 「当社のヘッドハンターがこうして最新情報を入手する目的は、業界動向とヘッドハンティングの対象候補者を把握することだ。例えば、金融サービス業界を担当しているなら、2つの銀行が合併する場合、それを頭に入れておかなければならない。また、金融サービス業界の最も優秀なCMO(最高マーケティング責任者)とCFO(最高財務責任者)各50人を知っていることも必要だ」とマーケルズ氏。同氏はNewsGator Enterprise Serverソフトにより、さまざまな業界情報源から最新情報を取得し、Spencer Stuartのヘッドハンターに配信している。

 Spencer Stuartは、NewsGatorが自社ソフトをMicrosoftのActive Directoryと統合する技術を開発していた当時、βテストに参加して開発に協力した。グラッチ氏と同様に、マーケルズ氏は、NewsGatorの管理ツールは企業環境で極めて重要な機能を果たすと考えているという。「彼らの管理ツールは優れたものだ。Active Directoryと統合されており、複数のユーザーを一括して追加できる。誰が一番多くフィードを入手しているかも分かる」

 2007年は企業でRSSの普及が大きく進みそうだが、IT担当者と企業を悩ませる可能性がある厄介な問題も幾つかある。例えば、事前に対策を講じておかないと、RSSの導入でネットワークトラフィックが急増し、帯域がボトルネックになる場合がありそうだ。

 「RSSは素晴らしい技術だが、RSSが必要とする帯域量を過小評価している人が多い」と、IBMのLotus Notes/Dominoに対応したオープンソースアプリケーションの開発者コミュニティー、OpenNTF.orgの共同創設者ブルース・エルゴート氏は語る。このことは、コンテンツを広く一般に提供する企業にとって問題になる恐れがある。

 「IT部門は十分に注意を払わなければならない。特に、巨大な市場を相手にしていて、Webサーバへのアクセス数が膨大な企業ではなおさらだ」とエルゴート氏は付け加える。ページのヒット数がビジネスにとって重要な企業は、配信するRSSフィードの数を増やすと、コンテンツページのヒット数が減少する場合があることを念頭に置いておく必要があるという。

 P&Gのヒル氏は、異なる電子メールシステムにRSSを一貫した形で導入するのが難しいことを思い知らされた。「異種混在環境でRSSを使うのは、かなり大変だ」とヒル氏。同氏が管理している環境には、Lotus NotesとMicrosoft Exchangeが混在している。同氏は、ユーザーが安全にシングルサインオンできる仕組みを構築している。だが、MicrosoftのSharePoint ServerとOutlookが、クライアントシステム用のRSS認証をサポートしていないことがネックになっているという。

 こうした懸念材料もあるものの、RSSは普及の機運が高まっているようだ。Forresterのヤング氏は、一般的なビジネスアプリケーションでRSSを利用できるようにする動きが広がりつつあると語る。例えば、Spanning PartnersのSpanning Salesforce 3.0は、Salesforce.comが新規の見込み客や営業記録の情報を、営業担当者のRSSリーダーに配信できるようにするツールだ。

 こうした機能は、モバイルユーザーがサポートされることで一層魅力的になる。例えば、NewsGator Go For Windows Mobileは、RSSフィードをフォーマット変換してモバイル端末で読めるようにすることができる。

 さらに、ヤング氏は、RSSフィードで情報を相互にやり取りするアプリケーションが使われるようになると予測する。「RSSに対応した企業アプリケーション同士がXML通信を行うようになるだろう」

 例えば、サプライチェーン管理アプリケーションが営業支援アプリケーションに、商品の入荷時期を通知するといったことが可能になると考えられる、とヤング氏は話している。

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