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「お祈りパンダ」のブリーダー、中国で逮捕

» 2007年02月13日 08時48分 公開
[ITmedia]

 お祈りパンダこと「Fujacks」ワームの作成にかかわったと見られる人物が中国で逮捕された。新華社通信の報道として米McAfeeが2月12日、ブログで伝えた。

 Fujacksは、感染したプログラムのアイコンを線香を持ったパンダの絵柄に変えるウイルス。新華社によると、湖北省の公安当局が容疑者8人の逮捕を発表したと伝えているという。この中には、Fujacksのほとんどの亜種にニックネームが組み込まれていた「WhBoy」と見られる25歳の人物も含まれるという。

 McAfeeの観測によると、アジアでは金銭目当てのマルチベクター攻撃が2006年下半期に急増し、2007年もその傾向が続いている。その代表格であるFujacksや「HLLP.Philis」はファイルに感染するだけでなく、ダウンローダーが含まれていて頻繁に更新され、ネットワーク共有やUSBドライブなどセキュアでないメディアを通じて、実行可能ファイルと実行できないファイルの両方に感染する。

 感染すると、脆弱性が修正されていないアプリケーションを狙い、PEファイル感染、HTMLを使ったWebベースのエクスプロイトやメディアファイル経由で、信頼できるメディアファイルにまで悪意あるコードやハイパーリンク感染を拡大する。

 このように多数のシステムや脆弱性を狙ったマルチレイヤー攻撃により、マルウェア作者にとっての犯罪チャンスは劇的に増加するとMcAfeeは解説。中国でサイバー犯罪が野放し状態にあることがマルウェアがはびこる一因とも言われる中、今回の容疑者逮捕は希望が持てる展開だと指摘している。

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