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「つまんない」「暇」を検索入力・会員100万人は簡単――携帯ネットの意外な“常識”(2/2 ページ)

» 2007年03月30日 15時50分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 携帯ネットのヘビーユーザー層は10代。人気サービスは10代の口コミを通じて一気に広がるが、その世代に広がり尽くしてしてしまうと成長を止めてしまう。「クリティカルマスが100万人」と佐藤社長は言う。

 100万人の壁を破るには、世代を超えるしかない。「モバゲータウンは10代で流行したことが話題になり、20代以上にも受け入れられてユーザーを伸ばしている」。まずはヘビーユーザー層に浸透させて知名度を上げつつ、上の世代にも受け入れられるようなサービス設計をすることが必要になりそうだ。

 携帯ネットの国内全契約者数は約8500万人。このうち、携帯ネットを頻繁に利用しているユーザーは「1000万人以下なのではないか」と佐藤社長は見る。「最大の“敵”は、携帯ネットに無関心な残りの7500万人。mixiモバイルが急成長したのは、携帯ネットに無関心だった層を取り込んだからだろう。彼らが携帯ネットを利用するようになれば、市場が大きく広がる」

PCプレーヤー参入でにわかに激戦区に

 ここ最近は、PC向けポータル各社の携帯進出が目立っている。「2000年ごろにも、PCポータル各社が携帯に参入しようとした時期があったが、当時はうまくいかなかった。昨年になって(PC向けネット企業だった)ディー・エヌ・エーの『モバゲータウン』が成功したのを見て、他のPCプレーヤーも本格的に再参入してきた」

 これまで、携帯サービスを展開する事業者は比較的小規模で、それほど激しい競争もなかったが、最近になって、PCのネットで激しい競争を生き抜いてきた大企業との競争にさらされ始めた。「携帯専業のプレーヤーとPCからのプレーヤーがガチンコで戦っている状態」

 携帯ネットは、画面がPCよりも狭く、インタフェースに工夫がいるなどPC向けとは異なる特徴もあり、使いやすいサイトを作れるようになるまでは経験が必要だ。だが「PCのプレーヤーにとっても学習が進んできた」と佐藤社長は語る。

 検索に限って言えば、PCと同様にYahoo!とGoogleが圧倒的に強い。激戦となるのはF★ROUTEを含む2番手以下。「機能を強化して欲しい情報に素早くたどり着けるようにし、モバイル検索エンジンとして名を上げていくしかない」

「携帯からPCサイト検索」が普通に

画像 「PCはまだハードルが高いが、携帯なら誰でも利用できる。携帯から手軽にネットを使えるようにし、ネットの世界を大きくしていきたい」と佐藤社長

 同社は、携帯電話からPCサイトの情報も検索できる機能をこのほど、「F★ROUTE」に追加した。携帯サイトにはまだまだ情報が少ないため、PCサイトの情報にアクセスできるようにし、情報量の少なさを補完していく狙い。サービスイン初日にPCサイトを携帯向けに変換した回数は30万回。それから1週間で60万に倍増したといい、手ごたえは上々だ。

 Yahoo!モバイルやGoogleでも携帯からPC向けサイトが検索できるようになっており、「携帯からPC検索」の流れは確実に来ているようだ。「今後はPCサイトを携帯からでも自然に見られるようになってくるだろう」

 F★ROUTEでよく検索されるワードは、タレント名や邦楽アーティスト名、楽曲などエンタメ系のコンテンツ。検索ワードを見ていると、10代の流行が見えてくるという。

 「レイザーラモンHGは、流行する半年ほど前から頻繁に検索されるようになった」。ちなみに最近よく検索されている芸能人は、お笑い芸人のムーディ勝山と藤崎マーケットだという。

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