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» 2007年04月20日 12時59分 UPDATE

YouTubeへの“輸出”も――ひろゆき氏が語る「ニコニコ動画」の今 (2/2)

[岡田有花,ITmedia]
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「アンケート動画」や「雑談動画」も

画像 アンケート動画の例

 アンケートを取るための動画とか、雑談するだけの動画とか、変な使い方も始まっています。アンケートは、「男ですか? 女ですか?」「何歳ですか?」と動画で表示して、みんながコメントで答える。雑談は、カラーバーが出てるだけの動画上で、コメントで雑談している。

 ユーザーコミュニティーにツールを投げ込むと予想外の使い方を勝手に始めて、面白いことをしてくれる、というのが改めて分かって「すげーな」と。

 独自の動画投稿サービス「SMILEVIDEO」では、著作権法違反の動画は、投稿時に注意をしたり権利者から連絡があり確認が取れ次第随時対応していますから、あからさまに著作権法違反のコンテンツはアップロードされにくくなりました。ユーザーは、著作権に触れず、みんなが楽しめるものを模索し始めています。

 マッシュアップを工夫した動画が出てきたりしています。そのまま載せるだけだと明らかに著作権侵害になるコンテンツでも、他のコンテンツと組み合わせてマッシュアップしてしまうと、明確に著作権法違反になるのか、引用とされるのかか分からない、グレーな状況になり、削除されにくくなりますから。

 γ版になってからは、ネタがマニアックになりました。アニメネタ率が異様に高くて。ぼく、アニメネタが分からないんですよ。ローゼンメイデンとかやっぱ、見なきゃいけないのかなぁ……

便乗できるものは何でも便乗

画像 選挙管理委員会の要請を受けて外山さんの動画がAmebaVisionから削除されたことに関しては「ぼくも公職選挙法はよく分かっていないんですが、選管は各候補者の政見放送の放送回数がみんな同じじゃないといけない、と言いつつ、外山さん以外の有名な人たちはテレビ番組に出てがんがん放送されている、というよく分からない状況がある。そういう人が出るテレビ番組には文句を言わないのにAmebaVisionやYouTubeからは削除するってどうなの? と思う」と語る。ちなみに選挙当日は外山さんに投票するつもりだったが「寝坊した」という

――ビジネス面ではどうでしょう。ニコニコ動画がきっかけでヒットした「レッツゴー!陰陽師」が、親会社のドワンゴで着うたになり、ヒットし、着うたダウンロード数で宇多田ヒカルに次いで2位になったり、東京都知事選に立候補した外山恒一さんの演説も、ドワンゴが着うた配信するなど、着うたを活用したビジネスも広がってきているようですが。

 陰陽師が宇多田と争うって、ちょっと間違ってますね(笑)。外山さんは、高円寺で開いていた集会にスタッフが行き、ダメモトで頼んだらご快諾いただけたみたいで。

 今のところ便乗できるのは何でも便乗しとけ、と。赤字垂れ流しですからね。ビジネス化できるものはする、という出口を作らないと、サイトが成り立たないので。

――着うた以外のビジネスモデルはありますか。

 ビジネスの芽のようなものはいくつかあります。どれかがうまく育てばいいなと。

 動画の有料配信をしようという話が具体的に進んでいて、近く発表できそうです。コメントなしの動画をフルで見ることもできるし、それに突っ込みも入れられるという仕組みです。

 突っ込みを入れられることに対して、他の動画配信サービスとは違う価値を、ユーザーや著作者が感じてくれるといいな、と。そのコンテンツをお金を払って買うほど好きな人が集まって感想を書くのだから、熱意がある人が集まるはずなので、うまく回るのでは、と期待しています。

 有料配信できるジャンルとしては、お笑いとか格闘技とか、ベタな“オッサンが好き”系の方がいけそうかな。ニコニコ動画はコメントが辛らつですから、アイドルなどには難しそうですね。

 AmebaVisionの動画にサイバーエージェントの広告が出ています。ただ単純な広告ビジネスは厳しい。動画を送信するためのトラフィックコストは、一般のテキストサイトの1000倍ぐらいになりますが、クリック単価を1000倍にはできません。

 単価の高い動画CMは今後増えてくるとは思いますが、動画制作能力を持ってるクライアントはほとんどいません。GyaOに出しているようなナショナルクライアントぐらいになってしまいます。「年末ジャンボ」レベルを稼がなくてはならないのですが、難しいですね。

携帯向けサービスも

――オープンサービス開始は無期延期と発表されました。

 登録ユーザーが1日1万人ぐらい増え続けていて、今月末には70万人になる計算です。会員の上昇ペースに設備投資が追いつけるタイミングが見えないので、無期延期となってしまっています。

 今20Gbpsの回線を使っていて、月末には30Gbpsまで拡張するのですが、もう「お金払えばできる」という次元じゃなくなってきています。うちが帯域をドーンと使うと他のユーザーが他のサイト見られなくなっちゃう、という事態になりうる。各プロバイダと調整した上で回線を開くという話になってしまっています。

 各プロバイダからニコニコに直接つないでくれるような話が来るといいんですけどね。ちらっと話をしているプロバイダはありますが、ぼくらがちゃんとサービスを継続するのかどうかというのがネック。回線を引いたものの「やっぱり閉鎖します」となると、彼らの投資が無駄になるので。

 ぼくらが本気で運営しているのを示すのと、ビジネスとして成り立っているので閉鎖の可能性は低いと納得してもらえる状況まで持ってかないと難しいかな。

――新しい展開は。

 携帯版を準備しています。友人がPSPに外山恒一さんの演説動画を入れていて、どこで見せてもウケがとれると言っていて、そういう文化に持って行きたい。ニコニコ動画は友人に見せても面白いものが多いから、携帯で見せるとわりと笑ってもらえるのでは。

 PCを利用せず、携帯しか使わないユーザーもいますから、携帯でも一通りの機能を使えるようにしたいと考えています。ただ技術的なハードルが高くて地道なテストが必要ですから、まだ時間かかりそうです。

 とはいえ、またコストが大変になりそうですが。パケット代ばかりキャリアに行って……。ユーザーはニコニコ動画を見て「ネットは面白い」と思ってるのに、パケット代や回線利用料はプロバイダーに行って、うちには何も来ないという微妙な状況。「何とかしてー!」とか思います(笑)。

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