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NEC社員が不正取引22億円 リベート5億円を飲食などに使用

» 2007年05月29日 12時02分 公開
[ITmedia]

 NECは5月29日、社員による不正取引約22億円が見つかり、東京国税局から更正通知を受けたと発表した。社員10人がかかわり、取引先に架空発注して金をキックバックさせる手法で約5億円をリベートとして受け取り、個人的な飲食費などに使っていたという。社内調査を進め、損害賠償や刑事告訴も検討するとしている。

 NECによると、指摘された不正取引は1999年度から2005年度にわたる5部門5件。取引先に対し、その下請け先へソフトや保守、現地調整工事などの水増し発注や架空発注を指示。水増し分・架空分などの約5億円を下請け先からリベートとして受け取っていたという。

 NECは「社員による個人的な不正取引」だとしている。一部報道によると、関与した社員の中には事業部長クラスも含まれていたという。

 外部弁護士を含めた調査を進め、不正にかかわったことが明らかになった関係者は厳正な懲戒処分を行うほか、法的措置も検討する。

 同社によると、今回の不正取引は「役務・工事などの無形資産の取引につき、営業部門等の発注者自らの確認で検収ができる仕組みになっていたため、長期間にわたり不正が見つからなかった」という。昨年末からは第三者の管理部門が確認する体制にした。

 昨年3月には子会社のNECエンジニアリングで総額363億円の架空取引が発覚(関連記事参照)。このため営業部門と計上部門の職務分離を徹底するなど、受発注プロセス・資材調達プロセスの改善を進めていた。

 同社は「企業業におけるコンプライアンスの強化、内部統制の整備などが強く求められている中で、このような不正取引が発生したことは誠に遺憾であり、関係の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」としている。

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