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» 2007年07月09日 12時17分 公開

賛否両論! 使って分かった「iPhone」各アプリのエクスペリエンス (2/4)

[Andrew Garcia,eWEEK]
eWEEK

 IT管理者にとって最も悩ましいiPhoneの特性の1つは、デスクトップと同期させるために「iTunes」を使用しなければならないことだろう。

 iPhone対応版iTunes(バージョン7.3)は非常に処理が重いアプリケーションであり、iTunesアプリケーションを閉じた休止モードでも、メモリを40MB以上消費する4つのサービスが動いている。以前の話だが、わたしのPCにインストールしたiTunesアプリケーション自身が、起動中にRAMを150MB近く消費していたのを発見したこともあった。

 ユーザーとしては、iPhoneと業務用連絡先リストや予定表データを同期させたいと思うだろうが、企業ネットワーク上でiTunesの使用を許可する仕組みを考案するIT管理者の仕事はきわめて難しい。iPhoneのデフォルト設定では、1デバイスにつきiTunesを1つインストールするようになっているため、メディアやコンタクトリストおよびカレンダーは同じワークステーションと同期させることになる。

 会社のストレージスペースの大部分を、ユーザーが所持している大量の音楽ファイルやビデオファイルで埋めてもよいと考えるIT管理者は、まず存在しないだろう。また、そうしたファイルを保管しておけば、違法に取得した版権作品を所蔵しているとして、企業が訴訟沙汰に巻き込まれる可能性がある。さらにiTunesは、音楽ファイルを検索したり共有したりすることで、付加的なネットワークトラフィックを発生させる性質も備えている。現段階では、iTunesにマルチメディア関連のオーバヘッドを起こさせることなく、ユーザーが業務用連絡先や予定表を効率的に同期できるようにする方法は、まったくわかっていない。

電話としての機能性は?

 Appleが携帯電話のハードウェア市場に進出するのはこれが初めてであるのに、iPhoneの全般的な音声トラフィックパフォーマンスが優れていることにはよい意味で驚いた。首都圏では必要かもしれない2、3の主要機能は欠けていたものの、iPhoneは原則としてシームレスに機能し、少なくともわたしのテストでは障害は発生しなかった。

 iPhoneにはごく標準的なアドレス帳機能が搭載されており、各連絡相手ごとに、氏名、複数の電話番号、住所、電子メールアドレス、関連情報などを記録しておける。着信メロディや着信時に表示する写真を変えるなどして、一部の連絡先に特徴を持たせることも可能だ。

 アドレス帳も、タッチスクリーンと画面右側に縦に並んでいる索引を一緒に使い、簡単に操作することができる。わたしが行った実験では、iPhoneのメインメニューから電話連絡先データベースにアクセスし、相手をスクロールして探し、実際に電話をかけるまでに、5回のクリックを要した。よく電話する相手をお気に入りメニューに入れておけば、このプロセスはさらに短くなる。動作履歴からは、通話ログ(出られなかった電話もしくはすべての通話)もチェックできる。

 電話番号を自ら入力する場合は、タッチスクリーン上のダイヤルパッドを使う。そのため、指先を見ないでダイヤルし、電話をかけるといったことは実質的に不可能だ。音声認識ダイヤルもサポートされていないため、両手を空けて運転することが法律で定められている地域で、車内からiPhoneを用い電話をかけるのは、非常にリスキーな行為となる。

 iPhoneにはマイクが仕込まれた1組のイヤフォンが付属し、ヘッドセットへの無線通信はBluetooth 2.0で行っている。わたしが試した限り、通話品質には何の問題もなく、iPhoneを使って電話をかけた側でも、電話を受けた側でも、音のひずみや途切れといったトラブルは起こらなかった。

 データ通信機能は実装しているが、iPhoneはまだVoIP(Voice over IP)には対応していないので、すでに同技術を活用している企業にとって、そのメリットを生かせないのは短所と言える。ただ、複数のVoIPプロバイダーがiPhone向けのWebアプリケーションを開発しているという話も、耳に入ってきてはいる(関連リンク)

生産性

 iPhoneには、ブラウザ、電子メール、カレンダー、メモ帳など、ユーザーの生産性を向上させる複数のアプリケーションが搭載されている。しかしいずれのアプリケーションにも、モバイルワーカーの邪魔になるような幾つかの欠点がある。

 社外での作業をよりいっそう複雑にしてしまう要因としては、AppleがiPhoneをクローズドデバイス化している点が挙げられる。すなわち、個々のユーザーや彼らをサポートするIT部門が、独自のアプリケーションをiPhoneに追加することができないのだ。機能を拡充する特権はAppleだけが持っており、今後もアプリケーションの追加は、同社の定期的なiPhone向けアップデートを介して独占的に行われることになる。iPhoneの機能拡張を図りたい場合は、同デバイスのMac OS X上で直接動作するアプリケーションを構築するのではなく、Web2.0アプリケーションを開発することを、Appleは推奨してきた。

 Webサイトを簡易的なテキストモードで表示する代わりに、コンテンツを完全に再現できるSafariブラウザは、他社のスマートフォンのブラウザよりはるかに優れている。全コンテンツを表示するので、一部のWebサイトでは文字などが非常に小さく表示されてしまうが、ズーム機能を利用すれば、乱雑なサイトでも任意の部分を楽に参照し、操作することが可能だ。そうとはいえ、iPhoneではうまく表示できないWebサイトもある。iPhoneはJavaScriptに対応しているものの、FlashおよびJavaはサポートしていないため、これらの技術が用いられている部分は閲覧できないのだ。

 iPhone版Safariでは、複数のウィンドウを同時に表示し、別のサイトをブラウジングすることができる。新しいウィンドウを表示したり、複数のアクティブセッション間を行き来したりするには、画面の右下に出てくるアイコンを押せばよい。

 Safariのテスト中に、何回かクラッシュを経験した。ほとんどのケースでは、スタート画面に戻ってセッションを再開するだけでよかったが、1度だけiPhoneが完全にフリーズしてしまい、スリープボタンとアクションボタンを同時に押し、デバイス自体を再起動させなければならなかった。再起動後に初めてデバイスの同期が行われた際には、自動的に生成される障害リポートをAppleに提出するよう求めるメッセージが現れた。初期世代のバグ情報を収集するための措置なのだろう。

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