米Googleは、携帯電話メーカーが新しい携帯電話を開発するためのソフトとサービスを来年半ばまでに提供する計画を発表する見込みだ。Wall Street Journalが10月30日に報じた。
同紙が事情筋の話として伝えたこのニュースは、Googleがモバイル計画を発表するのは来年以降という当初の報道と異なっている。
同紙によれば、Googleは実際の携帯電話はリリースせず、OSと人気アプリケーションのモバイル版を提供するという。
IDCのアナリスト、カルステン・ウェイド氏も同意見で、かなり平凡なものになり、Google Maps、YouTube、GmailなどのGoogleのオンラインアプリケーションの携帯電話版が披露されると予測しているという。
「Googleはソフトを開放して、開発者が携帯電話アプリケーションを開発できるようにして、それに表示する広告を販売するだろう」
GoogleはWall Street Journalの報道についてのコメントを避けているが、これまでに登場しているモバイル版Googleアプリケーションは氷山の一角だろう。さまざまなインターネット企業が、オンライン広告の肥沃な大地を探してモバイルとソーシャルネットワーキング(SNS)市場に注目しているからだ。
真に先進的なサービスはモバイルとSNSを合わせたものであり、Googleはそれを知っている。同社がこの2年あまりの間に新興モバイルSNSのDodgeball、Zingku、Jaikuを買収したことを考えてみてほしい。
Dodgeballは2005年5月に買収されたモバイルSNSで、GPS携帯を使って友人同士が互いを探せるというものだ。
今年9月と10月に買収されたZingkuとJaikuは、Google携帯電話が実現すれば、Googleにとって最も成功の望みが大きなものとなる。
Zingkuでは、ユーザーは一般的なテキストメール、画像メール、インスタントメッセージング(IM)、またはWebブラウザを使って招待状(「モバイルちらし」)を作成したり、共有したりできる。
Zingkuによると「宣伝したいものがある人なら誰でも」、例えば小売業者などが、インタラクティブな「モバイルちらし」を作って、メールで「zingコード」をオプトイン(事前承諾)した顧客の携帯電話に送ることができる。顧客は興味を持ってくれそうな友人にちらしを転送できる。
Jaikuのソフトは、マイクロブログを可能にする。マイクロブログでは、テキストメッセージを使ってSNSに新着情報をアップデートする。
これらのアプリケーションは今は大したものには見えないかもしれない。スマートフォンを持っている数百万人のうち、何人がDodgeball、Zingku、Jaikuの存在を知っているだろうか?
だがそれは重要ではない。MySpace、Facebook、LinkedIn、TwitterなどのSNSで見られたように、ユーザーはバイラル的に増えていくだろう。Googleがちょっとお墨付きを与えて宣伝すれば、ユーザーはDodgeballなどのサービスを使うだろう。
IDCのウェイド氏は、Googleのモバイルスイートにいずれかの時点でSNS機能あるいはサービスが盛り込まれない理由はないという点に同意している。もちろん、そうしたアプリケーションをリリースするのは容易な部分であり、Googleがその気質を示してきた部分でもある。
Googleは周波数帯オークションへの入札を示唆しているが、もし入札したらどうなるのだろうか? 同社が、携帯電話をあらゆるアプリケーションとサービスに開放するのを嫌がっている携帯電話キャリアと張り合えなかったらどうなるのだろうか? プライバシーのへの懸念は同社の入札にどんな影響をもたらすのだろうか?
ウェイド氏は、Googleがワイヤレスネットワーク戦略に関してAppleと手を組むとの憶測が流れていると語った。それは、Googleのエリック・シュミットCEOがAppleの取締役だからだろうか?
冗談はさておき、Googler(Googleスタッフ)はApple好きだ。10月25日にInterop New Yorkの基調講演で、Google Enterprise製品管理ディレクター、マット・グロッツバック氏は、iPodからiPhoneまで、Appleの革新の歴史に何度もそれとなく触れた。
AppleのiPhoneが携帯電話市場に参入し、多くの台数を売り上げて収めた成功を、まねたくない企業があるだろうか? コンシューマー分野でAppleをまねるのは難しいため、Googleが最善の努力をすることは確実だ。
だが、それで十分だろうか?
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