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「有害・違法情報」対策に内閣一丸で 総務省検討会が初会合

» 2007年11月26日 19時30分 公開
[ITmedia]

 インターネット上の違法情報や「有害情報」への対応策について話し合う総務省検討会の第1回会合が11月26日、同省で開かれた。来年3月までにフィルタリングサービス・ソフトの導入促進策をまとめるほか、掲示板に書き込まれた情報の削除といった対応の強化について検討する。

 増田寛也総務相は「福田内閣として一丸になり、特に青少年の健全育成の観点から効果的な対策を進めたい」などと話した。

photo 会合であいさつする増田総務相

 「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」(座長・堀部政男一橋大名誉教授)。いわゆる「闇サイト」に絡んだ事件や、出会い系サイトで少年が犯罪に巻き込まれるケースが相次いでいるのを受け、こうした情報への対応を検討するために設置した。

 構成員は25人。学識経験者のほか、携帯電話・PHS大手キャリアなどの通信事業者や、ヤフー、楽天、ディー・エヌ・エーなどのネット企業の法務担当者らも参加する。

 論点は(1)フィルタリングの導入促進、(2)ネット掲示板の管理者らによる違法・有害情報の削除の促進、(3)ネットユーザーの啓発、(4)以上についての政府の支援策・法整備──の4つ。増田総務相は「表現の自由を尊重しながら、青少年の健全育成を両立する知恵を出していくことが重要」と期待した。

 フィルタリングサービスは、同省の要請で携帯電話事業者が導入を進めるなどしてきたが、小中高校生のネット対応携帯電話ユーザー数・推計約750万人のうち、フィルタリングの利用者は約210万人(9月末時点)と3分の1以下にとどまっている。

 検討会では当面、フィルタリングの普及に向けた課題などを話し合い、来年3月ごろに中間報告書をまとめる予定。その後、違法・有害情報全般の問題について検討し、来年秋に最終報告書をまとめる。

 この日の会合では、同省がフィルタリング導入推進の経緯を説明したほか、自殺サイトや闇サイトなどの実態をインターネット協会が説明。電気通信事業者協会など、事業者団体もフィルタリングへの取り組みについて説明した。

 日本インターネットプロバイダー協会の06年度調査によると、PC向けISPでフィルタリングサービスを導入している(予定を含む)のは37.7%にとどまった。導入しないISPは、理由として「ユーザーニーズがない」(47.7%)を挙げており、堀部座長は「ユーザー側にも問題があるのかなという印象」と話した。

 導入のネックになるとされるコスト問題について、出席者からは「セキュリティソフトには年間数千円払うのは当たり前になっているが、なぜフィルタリングにはコスト意識が出てくるのか。コスト負担をどうすべきかは検討がいるのでは」という意見が出た。

 ISP側の事情として「特に中小ISPではフィルタリングの導入のコスト負担が重く、ニーズが少ないのであれば導入が難しい」という意見もあった。

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