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サンフランシスコの次世代無料Wi-Fi網、年内に構築へ

» 2008年01月05日 08時22分 公開
[ITmedia]

 新興企業の米Merakiは1月4日、米カリフォルニア州サンフランシスコ市全体をカバーする無料のWi-Fiネットワークを、年内に完成させると発表した。同社はまた、シリーズBの資金調達ラウンドでSequoia Capital、DAG Ventures、Northgate Capitalから、2000万ドルの投資を受けることも明らかにした。

 同社は昨年、サンフランシスコにおいて「Free the Net」プログラムをスタート。現在では4万人以上のユーザーが無料でネットを利用できるまでに成長した。

Merakiの無線ルータ(Meraki Mini)

 Merakiは住居の屋根やベランダ、窓などにリピータ機能を持つ低出力の無線LANルータを数多く設置し、それらから発信される信号を組み合わせる形で無線ネットワークを構築している。各ルータはMerakiの中央サーバと交信することで自動的に速度やパフォーマンスを最適化するため、ユーザーがメンテナンスする必要はないという。サンフランシスコでは当初2平方マイルをカバーするネットワークでスタートしたが、2万件以上の干渉問題を解決して全ユーザーにほぼ1Mbpsの実効速度を提供することができたとしている。

 サンフランシスコの基幹回線は、太陽電池式のルータ数百台を住居の屋根に設置することで構築する。Merakiは同市のネットワーク拡大のため、今後も住民に無料でルータを配布、住宅の屋根などへの設置を推奨していく。

 Merakiは2006年、安価なワイヤレス接続を提供することを目的とし、マサチューセッツ工科大学(MIT)のリサーチプロジェクトとしてスタート。当初はマサチューセッツ州ケンブリッジのみをカバーする小規模なネットワークを提供していたが、現在では世界各国でWi-Fi網を提供する企業へと成長している。

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