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次世代DVDレコーダー、BD陣営シェア96% ソニー・松下が2強

» 2008年01月17日 18時15分 公開
[ITmedia]
photo 次世代DVDレコーダー市場でシェア6割を占めたソニーの新商品=昨年9月

 次世代DVDレコーダーはソニーと松下の2強体制に──BCNの調査によると、昨年10〜12月の次世代DVDレコーダー販売シェアは、Blu-ray Disc陣営のソニーが6割、松下電器産業が3割を占めた。年末商戦期には軒並み供給不足に陥るほどの人気となり、量販店からは「モノがあればいくらでも売れた」という声もあったといい、北京五輪を控えた今年は当面、順調な需要が見込めそうだ。

 次世代DVDレコーダー需要は、各社が普及機種を投入した10月以降に離陸。レコーダー全体の販売台数のうち、次世代DVDレコーダーは10月に6.1%、11月に21.6%を占めるまでに成長。ただ、12月は全体的な品不足から18.1%に低下した。

 金額ベースでは単価が高い次世代DVDレコーダーの割合が大きくなり、11月には37.1%と4割近くに成長(12月は31.4%)。市場全体では金額ベースで前年割れが続いていたが、11月以降にプラスに転じる要因になった。

 10〜12月合算のメーカー別シェアは、ソニー(台数:59.6%、金額:58.1%)、松下(台数:27.0%、金額:31.6%)がほぼダブルスコアの大差でトップ。これにシャープ(台数:9.6%、金額:7.3%)、HD DVDの東芝(台数:3.8%、金額:3.0%)が続いた。

 上位3社はBD陣営。3社合計のシェアは台数で96.2%、金額で97.0%となり、BD vs. HD DVDという構図で見た場合、BDの圧勝だった。

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 機種別では、320GバイトHDDを搭載したソニー「BDZ-T70」(平均単価11万9207円)がトップで、3位までソニー製品が占めた。平均単価は11月が13.1万円、12月が12.4万円。各社が製品ラインアップを強化した結果、高価格帯から普及クラスまで売れ筋が多様化した。

金額ベースで4〜6割に

 供給不足は2月ごろまで続くもようだが、BDレコーダーに一本化したソニーを始め、各社とも生産を次世代機にシフトしつつあり、品不足が解消されれば販売はさらに伸びそう。BCNの田中繁廣取締役は「5月ごろに各社が新商品を発表する。北京オリンピック商戦から秋口までは、金額ベースで4〜6割はいくだろう」と見ている。

 メーカー動向では、07年の年間でシェアトップだったシャープの追い上げに注目する。シャープはHDDを省いた廉価なBDレコーダー2機種を発売したが、「少し上のクラスに需要があったため、出遅れた。今後投入する新商品でどこまで戻してくるか」(田中取締役)

 規格別ではHD DVDが劣勢な上、年明けには米Warner Bros.がBD陣営にくら替えするという事件もあった。田中取締役は「この時期にこうした動きが出てしまったのは、東芝にとって非常に大きいのでは」と今後への影響を予測する。

 当面は順調な需要が見込める次世代DVDレコーダー市場だが、田中取締役は「中長期的にはどうなるか分からない」と話す。米Appleの「Apple TV」が映画レンタルに対応したように、ネットによる映画などの配信が普及すれば、「必ずしもローカルメディアに保存しておく必要はない」ためだ。「今後はネット対ディスクという競争の軸になるだろう。日本のメーカーがどういう答えが出せるかがカギになるのでは」

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