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アッカ、イー・アクセスの提案に「反対」 対立決定的に

» 2008年01月29日 19時01分 公開
[ITmedia]

 アッカ・ネットワークスは1月29日、筆頭株主のイー・アクセスが現経営陣の退任を求めた株主提案について、「企業価値向上の実現に向けた具体的方策が示されていない」として、取締役会としては反対すると発表した。

 イー・アクセスは前日、アッカが株主名簿の開示を拒否したと発表し、「残念」だとコメント。イー・アクセスの提案に対しアッカ取締役会が明確に反対意見を表明したことで、両社の対立が決定的になった。

 イー・アクセスは16日に、アッカの木村正治社長らの退任などを求める株主提案を行った。木村社長ら常勤取締役3人全員を退任させ、イー・アクセス側から取締役の過半数を占める4人の選任を求めている(イー・アクセス、アッカ経営陣に退任要求)。

 29日にアッカが公表したコメントによると、アッカ取締役会は「イー・アクセスの株主提案は取締役交代の提案であり、企業価値向上の実現に向けた具体的方策については示されていない」として「株主提案に反対する」と表明。ただ、イー・アクセスから事業面で具体的な提案があれば検討する、とした。

 3月予定の株主総会で選任する取締役候補者は、「株主価値の最大化を第一義として、当社指名委員会での審議をへて、取締役会で正式に決定する」とした。

 今後の事業展開については(1)ADSL事業の拡張として公衆無線LAN網の展開を検討する、(2)WiMAXとHSDPAはMVNO(仮想移動体通信事業者)方式で展開する、(3)ADSLは個人向け低価格サービスの積極販売、光は法人向けの強化などで事業の維持・強化を図る──という。詳細は2月14日予定の2007年12月期決算の発表と合わせて説明するとしている。

 イー・アクセスは28日、23日付けで請求していた株主名簿の開示をアッカが拒否したと発表。イー・アクセスによると、アッカは事業上「実質的な競争関係にある」ことが理由だと回答したという。

 これに対しイー・アクセスは「株主の利害に直結する重大事項を早期に全株主に知らせることが株主の共通の利益になる」などと指摘し、開示の拒否を「残念に感じる」とした。

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