朝日新聞社、日本経済新聞社、読売新聞グループ本社の3社が設立した「日経・朝日・読売インターネット事業組合」は1月30日、3紙の記事を一画面上で読み比べることができるサイト「新s あらたにす」を1月31日に公開する。ネット社会への新聞社の影響力・発信力を高めることが狙いといい、ネット上での“新聞の復権”を目指す。
トップページには、3紙の1面、社会面、社説から主要ニュースのタイトルと冒頭部分を掲載。クリックすると各社サイトの記事ページにアクセスする。最新記事や話題のトピックについて、3紙の記事をまとめて掲載するページも設置。バックナンバーは1週間分掲載する。
独自コンテンツとして、各社編集局がその日の新聞作りの裏話や、トップニュースを選んだ理由などを紹介する「編集局から」を掲載。東京大学大学院の伊藤元重教授やスポーツジャーナリストの増田明美さんなど学者や文化人など10人が「新聞案内人」として新聞記事を解説するコラムを寄稿する。
3社の論説委員が特定のテーマについて議論した記事も、新sと新聞双方に掲載。「単独ではできないサービスを提供したい」(同事業組合の長田公平理事長)といい、新聞と連動したコンテンツも増やしていく。
各社が主催するイベント情報や、各紙が紙面で取り上げた書籍の紹介なども掲載する。今後は、3社の記事を配信するウィジェットや、3紙の横断検索機能を提供する予定だ。
1日当たりの想定ページビュー(PV)は400万。運営費用は年間数億円を想定しており、広告収入でまかなう計画だ。「新聞サイトに比べるとPVは少ないが、ページ滞在時間が長くなるとみている。滞在時間を指標に媒体価値を評価してもらえるようにし、3年目に収支トントンに持っていきたい」
ネット上での情報収集は、ポータルサイトを起点にしているユーザーが多いが、「新s」は3大紙のコンテンツを結集してポータルに対抗。長田理事長は「ネットが普及し、メディアが多様化しているが、新聞こそ最も信頼性が高いメディアであり、今後もそうあり続けねばならない。現在、ネットに発信されているニュースは大半が新聞社の記事。他メディアより圧倒的に強く層が厚い取材力でニュースを発信する3社が力を合わせ、影響力や発信力を高めていきたい」などと語った。
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