ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子社長は1月30日の決算説明会で、来期(2009年3月期)の事業計画について、携帯電話向けサイトフィルタリングの先行きと影響が不透明だとして、最も厳しく規制された場合の想定をベースに検討せざるをえないとの見通しを示した。
足下の業績は順調。10〜12月期の売上高は前年同期比124%増の83億7800万円、営業利益は229%増の39億2800万円に。18日には08年3月期通期の業績予想を上方修正しており、純利益は前回予想から4割増の63億円になる見通しだ。
好業績をけん引しているのが携帯向けサイトの「モバゲータウン」。同サイトの10〜12月期の売上高は46億2800万円となり、7〜9月期から約1.5倍に拡大した。アバター販売収入が7〜9月期比で約5割増、広告も同5割増えるなど、収益力が拡大している。会員数は12月末で865万人。
好調なモバゲーだが、携帯電話事業者が今春から導入する未成年者向けフィルタリングの影響が不安要因だ。
同社が公表した10〜12月期のモバゲーの売り上げ内訳と、その18歳未満ユーザーの割合を単純に当てはめると、アフィリエイト広告収入で5億6600万円、アバター販売収入で3億3000万円、合計8億9600万円が18歳未満ユーザーによるもの(一般広告などは割合が不明)──となり、同期のモバゲー売上高の約2割に当たる計算だ。来期はサイト監視の強化などで、費用が3〜4億円増える見通し。
具体的な来期の計画は現在策定を進めており、「まったく申し上げられない」(南場社長)。ただ、NTTドコモとKDDI(au)がホワイトリスト方式を採用するなど、現状判明している範囲での影響を考慮せざるをえず、「望ましくない結果に終わったとしても、他の部分で達成できるような計画をボトムとして考えるしかない」とした。
ただ、前日には、ホワイトリスト方式によるフィルタリングを総務省が“過剰規制”と問題視した報道もあり、先行きは不透明だ。
現状では「mbga.jp」ドメイン以下のコンテンツは「SNS」というくくりですべてフィルタリング対象になる見込みだが、「サイト構造を変え、SNSと見なされる部分を狭める改修に着手した」という。キャリア各社の公式サイト化については「コミュニティーは公式サイトであってもフィルタリング対象。またサイト変更に時間がかかるケースがあると聞くが、モバゲーの成長要因は機動性」として当面、公式サイト化は考えない方針を示した。
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